ここから本文です

変わる大和研究所 ThinkPadの聖地で進められる次世代PCの創造-レノボ

日刊工業新聞電子版 7月25日(月)18時30分配信

“頑健で壊れにくい”を生み出した大和研究所

 レノボ・ジャパン(東京都千代田区)の大和(やまと)研究所(横浜市西区)は、米IBM時代からパソコン「シンクパッド」の研究開発をリードしてきた。市場環境が変わる中、新しいパソコンのあり方に向けて研究所も変わり始めている。(梶原洵子)

 かつて大和研究所は“拷問試験”とも言われる厳しいパソコンの耐久試験で有名になった。実際の使用シーンを踏まえて過酷な試験を繰り返し、耐久性を高めた。“頑健で壊れにくい”という評価は、この研究所から生まれたといっても過言ではない。しかし今後の大和研究所は耐久性の研究だけではない。

 レノボ全体でパソコンの先進技術開発部門を束ねる内藤在正レノボ・ジャパン副社長は「従来通りの開発だけでは次のニーズに応えられない。世の中の変化への対応が必要になる。エンジニアにとって新しい時代が始まる」と話す。

 同社が注目する変化の一つは、機械が人間に歩み寄れるようになってきたことだ。例えば音声認識。話し言葉で機械を操作できれば誰でも簡単に使えるため、日常生活の奥深くに機械が入り込める。一方で家人を見守るカメラは便利だが、監視されているという意識も残る。機械が生活環境に入り込んできたことで、新たな事象や課題が生まれている。

■ユーザー目線で価値創出
 「学べば学ぶほど解決すべきことが分かる。こうしたことを含めて新しいソリューションを提案できるラボ(研究所)にしたい」(内藤副社長)という。新しい開発を下支えする仕組みとして、2014年から二つの取り組みを始めた。

 一つは「WOW+(ワオプラス)」だ。エンジニアが“あったらいいな”というユーザー目線で考え、構想を練る活動だ。昔のパソコンは半導体などの基幹部品で進化していた。今はネットワークの進展で多様な技術を素早く導入でき、これまでにない価値を提供できる。その価値をユーザー目線で方向付ける。

 ワオプラスから出てきたアイデアは製品に搭載され始めている。例えば製品の使用状態をセンサーで検知し、持ち運ぶ時は画面表示をオフにし、暗い時はキーボードのバックライトを点灯する技術だ。同活動を担う川北幸司氏は「新しい価値を生むために変わっていきたい」と話す。

 もうひとつはシンクパッドの開発に“芯”を通すため、開発精神を「シンクパッド開発哲学の木」としてまとめた。開発チームがグローバル化する中、エンジニア間で開発の精神を共有する。

■継承される“ThinkPad”の精神
 パソコンの形や価値は、今後さらに変化する。大和研究所への要求が高まるのは間違いない。「大和研究所と(NECパーソナルコンピュータの)米沢事業場のジャパンチームで、パソコンのテクノロジーをけん引する」(内藤副社長)という。さらなる進化に向けて邁進(まいしん)する。

最終更新:7月25日(月)18時30分

日刊工業新聞電子版

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

地球外生命を宿しているかもしれない1つの惑星と3つの衛星
地球外にも生命はいるのでしょうか?NASA(アメリカ航空宇宙局)の惑星科学部門の部門長であるジェームズ・グリーンと一緒に、地球外生命を宿していそうな場所を太陽系内の中で探してみましょう。 [new]