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天国のおじいちゃんへ届け 毛呂山の中2男子、NHKのど自慢で熱唱

埼玉新聞 7月25日(月)10時30分配信

 この歌声、天国の祖父へ届け―。埼玉県の坂戸市文化会館で24日、坂戸市市制施行40周年記念「NHKのど自慢」(坂戸市、NHKさいたま放送局主催)の公開生放送が行われた。前日の予選を突破した20組が、得意な歌を熱唱。その中には、3月に祖父を亡くした毛呂山町の中学2年飯島龍さん(13)の姿もあった。

 まばゆいばかりの光が全身を包み込む。ステージ上で、約千人の視線を感じながら握るマイク。飯島さんはバンドの演奏に合わせて、歌い始めた。

 飯島さんが選んだのは「昭和の歌姫」と呼ばれた美空ひばりさんの名曲で、映画の主題歌にもなった「あの丘越えて」。会場の手拍子に合わせて熱唱。合格の鐘が鳴った。「うれしくて飛び上がっちゃいました。天国のおじいちゃん見ててくれたかな」。ステージを降り、ほっとした表情を浮かべる。

 選んだ曲は、3月に69歳で亡くなった祖父賢二さんが好きな歌だった。生前、共にカラオケに行き、賢二さんが歌っていた歌。「いい歌だ。この曲覚えてみようかな」。次第に演歌が好きになり、地域のカラオケ教室などでも高齢者と一緒に歌ったりするようになった。

 「優しかった」という祖父との突然の別れ。亡くなる直前には、あまり祖父に歌声を聞かせることができなかった。「今回出場が決まったとき、この歌を歌おうと思った。天国に向かって『今の歌声だよ』と届けたかった」

 本番を終え、ステージを降りた飯島さん。「合格の鐘が鳴ったことより、出場できたことがうれしかった。まずは『ありがとう』という気持ちを伝えたい」。自宅に戻り、天国の賢二さんにそう伝えるつもりだ。

 本選で合格した9組の中からチャンピオンに選ばれたのは、「ムーンライト伝説」を歌った蓮田市の小林友里花さん(20)。「名前を呼ばれて、まさかと思いました。選曲は父の推薦です」と、アニメソング歌手になる夢を家族全員が応援してくれているという。特別賞は「ソーラン祭り節」を歌った大村広子さん(68)、井上美江子さん(65)、金原梅子さん(63)の3姉妹が受賞した。

最終更新:7月25日(月)10時30分

埼玉新聞