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ジビエが地域を救う!鳥獣被害対策も兼ねて一石二鳥

ニュースイッチ 7月25日(月)12時30分配信

全国でプロジェクト相次ぐ

 作物被害の増加で注目される野生鳥獣肉「ジビエ」の活用。今、鳥獣被害対策としてだけでなく、地域おこしの一環として推進しようと一石二鳥・三鳥を狙う動きが加速している。“ジビエプロジェクト”を進める商工会議所、商工会の動きを追った。

<愛知県設楽町-ジビエビジネス、18年めどに法人化>

 地域衰退が続く愛知県設楽町津具地区。地域おこしを―、と若手が声をあげ、津具商工会(愛知県設楽町)を事務局に会員事業所、農業者、他団体22人で「奥三河つぐ高原グリーンツーリズム推進協議会」を2013年7月に設立した。

 取り組むことになったのが、景観整備、イベント開催に加えて“ジビエの活用”。同地区では鳥獣による農作物被害や人との接触事故などが頻発。政府も被害抑制のためジビエ利用促進を打ち出していたからだ。

 ジビエビジネス推進には適切な仕入れから解体・処理、保管が必要。そこで、農林水産省の交付金650万円と町の補助金400万円に協議会員の拠出金・住民寄付金を合わせ1500万円で食肉処理施設を造った。旧農協施設を借り受け改築、「奥三河高原ジビエの森」と名付け事業を昨年4月スタートした。

 仕入れでは地区3町村に180人の会員を持つ猟友会と連携。生きたままでの捕獲連絡をもらい、引き取りに出向き、自ら“とめ刺し”と“回収”をする。これでトレーサビリティーが確保できる体制が構築された。

 3月末までの1年間でイノシシ、シカ合わせて200頭を処理。地区では毎年、合計約1000頭が捕獲される。「目標とする年間300頭をクリアし、いずれは500頭処理、販売できる体制を構築したい。18年をめどにジビエの森を組合か株式会社として、一本立ちさせる計画だ」(今泉哲也津具商工会事務局長代理)と話す。奥三河つぐ高原グリーンツーリズム推進協議会ではイベント事業として「つぐ高原マルシェ『秋の収穫祭』」を展開するが、その一環として周辺3商工会の飲食・宿泊・小売り事業者を集め「ジビエ料理教室」を開いている。これまでの2回で、対象90店舗中40店舗が参加した。「こんなにおいしいんだ」との声も上がり、ジビエによる町おこしの期待も高まっている。

<埼玉県小鹿野町-都市部に鹿の肉・皮革を供給>

 “秩父”はシカによる食害でシラビソ中心に数十本という単位で「立ち枯れ現象」がおき、自然環境が保全できなくなっている。加えて、農作物被害も甚大。さらに事業所も、人口も減少の一途。そこで西秩父商工会(埼玉県小鹿野町)は一石二鳥・三鳥を狙って鹿産業創出に向けて動きだした。

 まず、経済産業省の採択を得て13・14両年度の小規模事業者地域力活用新事業全国展開支援事業「森の恵み“秩父の鹿”を活用したライダー(観光客)向けちちぶのじかプロジェクト」をスタート。食肉活用では鹿肉ココナツカリー、ローストベニスン、鹿肉ハンバーグなど、皮革活用ではウイスキーボトル・ネットやファスト・シューズなどの商品化に向けた調査研究事業を実施した。これにより、「一応、課題は解決できた。食肉はめどが立ちこれからが事業化に向け本格的なスタート段階」と西秩父商工会の指導員からこの春、荒川商工会の事務局長に転じた神林秀典氏は話す。すでに15年9月には「秩父天然鹿の味噌漬け丼」を商品化、14店舗で提供を開始。高タンパク、低脂肪、低コレステロールの肉として評判もいいという。

 また、ロースト用の肉として都内、横浜、川崎、さいたまのフレンチレストランへ供給も開始した。さらにジビエとしての活用だけでなく皮革での利活用も含めて事業全体のブラッシュアップを進めるため農水省の交付金を得て本年度からの2カ年事業にも取り組む計画。これで、“鹿産業”を実現する考えだ。

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最終更新:7月25日(月)12時30分

ニュースイッチ

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