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ピレリの開発は間に合うのか、2017年用タイヤが抱える多くの課題

オートスポーツweb 7月25日(月)15時49分配信

 ピレリは、F1タイヤの製造に4カ月を必要としているが、市販車用タイヤの開発にかかる期間は2年とされている。これから数カ月で、2017年の新レギュレーションに向けてタイヤの大幅な仕様変更のためのテストを控えているピレリにとっては、厳しい状況が待ち受けている。 

過密なのはタイヤ開発スケジュールだけではない

 来季用タイヤはフロント/リヤともに幅が広がるだけでなく、ジオメトリーにあわせて構造やコンパウンドも変更となる。フロントタイヤは現在の245mmから幅が60mm拡大し、305mmに。リヤタイヤは325mmから80mm拡大して405mmへと変更される。

 すでに今年の5月から室内でのテストが行われ、ピレリは来シーズン仕様の素材と構造で構成された現行サイズのプロトタイプタイヤを2012~14年仕様のマシンに装着。テストで得られたデータは、すべてのチームに提供していく。

 コース上では、8月1日から11月29日までにウエットとドライ路面で24日間、計10回のテストを予定。これにはフェラーリ、メルセデス、レッドブルが参加する。

 テストで使用するマシンは2015年用モデルで、サスペンションやダウンフォースを増加させるなど一部をモディファイ。そして、11月29日のアブダビテストでは、2017年プレシーズンテストに向けて、2017年規定のマシンに合わせたタイヤを持ち込む予定だ。

 ピレリは経験豊富なドライバーからの重要なフィードバックが進化をもたらすと主張し、現在のF1マシンに精通しているレースドライバー、もしくはリザーブドライバーの参加を要請している。

 FIAが全チームにリクエストを送ったところ、フェラーリ、メルセデス、レッドブル以外にも、マクラーレン、ウイリアムズ、フォース・インディアが参加を表明。しかし費用、時間、リソースを考慮した結果、フェラーリ、メルセデス、レッドブルの3チームが対象となった。

 テストでは、すべてのタイヤに印をつけず、ピレリのみがプロトタイプタイヤの構造を把握。燃費についてもピレリの管理下で調整される。また、テレメトリーを除いて、ドライバーのコメント、ラップタイム、セクタータイムは、すべてのチームが共有。ピレリは、この方法により各チームが多くの情報を得られると考えており、ここ数週間すべてのチームと密接に協力している。

 テストに向けて、チームからは重量とスピードの初期設定が求められ、ピレリは最初のタイヤモデルを提供。各チームは、そのプロトタイプにマシンを適応させ、あるレベルに到達するまでデータの共有が続けられた。

 そのようにして調整されたあと、ピレリは最初の実走テストで、どれほど開発が進んだか確認する予定だ。チームは2017年マシンのパフォーマンス増加を狙ったシミュレーションも行っている。

 来年の新規定により、コーナリング時に10~20%の負荷が増加、トップスピードは今年と変わらないと予測されている。ドラッグは増える見込みだが、これはパワーユニットの進化によるものと見ている。また、ピレリはマシン重量が20kg増加することも考慮しなければならないだろう。

 それらの問題に対処するため、ピレリはマージンを考えてタイヤの製造を行っている。ただし、まだシミュレーションの段階であり、最後のアブダビテストまで微調整を繰り返しながら対応していくようだ。

 チームからは、ドライバーがさらにプッシュできるように、デグラデーションの少ない、オーバーヒートのないタイヤがリクエストされている。2011年にピレリがF1に参入した当初は、2~3回のピットストップを必要とするデグラデーションの大きいタイヤが要求されたが、現在は完全に異なった状況となっている。

[オートスポーツweb ]

最終更新:7月26日(火)2時0分

オートスポーツweb