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最後の夏、全力で裏方 高岡商の宮腰・山崎君

北日本新聞 7月25日(月)1時6分配信

 2年連続の夏の甲子園出場をかなえるため、サポート役に徹した夏が終わった。24日に県営富山球場で行われた第98回全国高校野球選手権富山大会の準々決勝で、高岡商は富山商に敗れた。宮腰礼惟(れい)君(3年)と山崎大誓(たいせい)君(同)は今大会、選手ではなく練習の指示などを行う裏方に回っていた。宮腰君は「仲間に思いを託してやってきた。結果は悔しいが、全て出し切れた」と涙をこらえた。

 「このままでは夏は勝てない」。5月の春季県大会決勝で富山第一に敗れた後、吉田真監督はチームの“進化”の必要性を感じていた。ナインに提案したのはチームをサポートするポスト「主務」「副務」の新設。「62人の部員一人一人の役割をはっきりさせ、最大限に力を発揮させたかった」と狙いを明かす。

 吉田監督は全体を見渡す力がある宮腰君に主務、他人の気持ちをくみ取れる山崎君に副務への就任を打診した。

 宮腰君は射水市大門中、山崎君は高岡市伏木中から進学。宮腰君は昨秋、今春とも県大会でベンチ入りし、副主将も務める。山崎君は1年生大会こそベンチ入りしたが、その後はけがに苦しんだ。

 3年生にとって最後の夏。ベンチ入りを目指すか、サポートに徹するか。2人は家族やOBらに相談した。宮腰君は「自分がチームに一番貢献できる方法を考えた」と、葛藤の末の決断を振り返る。

 練習では監督と選手のパイプ役を担い、メニューの指示や指導を行ってきた。山崎君は「選手とは違ったやりがいがある。チームメートからの感謝の言葉がうれしかった」と笑顔を見せる。

 2人のサポートのおかげで主将の堀内卓哉君(3年)の負担が減り、ナインはより練習に集中できるようになった。堀内君は大会前、「感謝の気持ちを胸に刻み、チーム全員で戦いたい」と話した。

 今大会、宮腰君は記録員としてベンチ入りし、山崎君はスタンドで声をからした。惜しくも準々決勝で敗れ、チームが掲げていた「日本一」の目標には遠く及ばなかった。それでも、「みんなのプレーから感謝の思いが伝わってきた」という宮腰君。ナインの戦いぶりに胸を張り、泣き崩れる仲間を最後まで支えた。 (高岡支社編集部・荒瀬洋介)

北日本新聞社

最終更新:7月25日(月)1時6分

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