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天然記念物ノグチゲラの巣穴29ヵ所 沖縄・東村高江の米軍ヘリパッド建設地周辺 07年にアセス記載も米軍の運用優先

琉球新報 7月26日(火)5時0分配信

 米軍北部訓練場(沖縄県国頭村・東村)の部分返還に伴うヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設計画で、ヘリパッド新設候補地の「G地区」周辺の13カ所、南西にある「H地区」周辺の16カ所で、国の特別天然記念物ノグチゲラの巣穴が確認されていたことが、那覇防衛施設局(当時)が2007年にまとめた環境影響評価(アセス)図書で分かった。専門家は「その場所が非常に自然豊かな森であることを示す数字だ」と指摘している。だが同評価図書ではG地区について、米軍が水域訓練のために「必ず必要」と強く要求したことが示されており、日本側が自然環境保護よりも米軍の運用を優先して選定したことが明らかになった。
 G地区、H地区の巣穴の発見場所はアセス図書に図示されているが、一部で発見場所の印が重なっており、実際はさらに多い可能性がある。一方、当時、既存のヘリパッドがあり、さらに2基が新設予定だったN4地区は巣穴は一カ所だけで、既存のヘリパッドの影響も推測される。
 N4は東村高江区に最も近く、区が計画見直しを求めてきたが、図書は騒音などの影響について「現状に比べ、周辺地域の生活環境に著しい影響を及ぼすことはないと判断した」とした。
 北部訓練場はヘリパッド移設を条件にした過半の返還が1996年の日米特別行動委員会(SACO)で合意されたものの、98年にG地区近くの宇嘉川河口部の陸域38ヘクタールと水域121ヘクタールが米側に追加提供された。
 日米両政府がG地区を建設候補地とした理由は「米軍から運用上、特に新規提供された水域における訓練も含め訓練および兵士の救助を支援する目的で必ず必要との強い要望」があったと記載されている。
 北部訓練場のヘリパッド建設は県条例が定めるアセス事業には該当しないとして、国は当時、自主的に調査し、アセス図書を作成。07年2月に閲覧のみ許可され、現在は公表されていない。琉球新報は評価図書全文を入手した。(島袋良太)

琉球新報社

最終更新:7月26日(火)5時0分

琉球新報