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<北朝鮮写真報告>見捨てられる老人たち 福祉政策は宣伝だけ 路上に出るのが最後の手段 (写真4枚)

アジアプレス・ネットワーク 7月26日(火)16時30分配信

北朝鮮の慢性的な経済難は、あらゆる住民に甚大な苦痛を与えてきたが、その中でも最大の犠牲者は子供と老人である。特に90年代に発生した大飢饉の時期、多くの老人が餓死するのを筆者は目撃した。食糧配給が途絶えると、働ける人は商売に出かけたり自分の労働力を売ったりしたが、多くの老人たちは、なす術なく死を待つだけだった。金正恩政権は「国際高齢者デー」の記念行事を行うなどして、老人福祉政策の充実について宣伝してきた。しかし、実際には貧困層の老人は、最近も最悪の生活難に苦しんでいる。老人の悲惨な現実を写真で紹介する。(ペク・チャンリョン)

【関連動画を見る】 外国人が絶対に行けない平壌裏通り 廃品回収や路上商売に勤しむ老人たち

◆家を追い出された彷徨う老婆

2011年1月、平壌市郊外の道路。杖を突きながら、厚着をした一人のおばあさんが歩いて来た。撮影者が声をかけたところ、息子に家を追い出されたと言う。

撮影者:あばあさん、年はおいくつですか?
老婆:80。

撮影者:子供はいないんですか?
老婆:3年前にトウモロコシ700kgを持って行って息子と同居を始めたけれど、(トウモロコシがなくなったので)追い出されてしまった。

撮影者:息子に追い出されたんですか?
あばあさん:「出て行け」と言いうのよ。(足が痛くて)歩けない。こんなことになるとは思わなかった。

北朝鮮憲法第72条には、「身寄りのない老人」の無償治療と社会保険による高齢者保護政策が明記されているが、まったく形式に過ぎなくなっている。地方都市には養老施設は見当たらない。

北朝鮮の社会主義労働法によれば、一定の勤続年数を超えた60歳以上の男性と55歳以上の女性には、月給の60~70%を老齢年金として支給することになっているが、「国定価格」による配給が消えた現在の北朝鮮ではまったく意味をなさない。

規定に従えば、老齢年金は500ウォンから1500ウォン程度になる。だが、2016年7月現在、白米1キロの価格は5000ウォン程度だ。一月分の年金で買えるのはコメ100~300グラムでしかないのだ。

生活難で、子は親の扶養ができず、政府も責任を負わないため、まだ体が動く老人たちは、市場や路上で商売することになる。だが、この老婆のようにコチェビ(ホームレス)に転落してしまうことも珍しくないのだ。

◆老体で肉体労働や商売で現金稼ぐ

2013年3月平安南道平城市。一人のおばあさんが、枯れ草枝を背負って歩いていた。自分の体躯の2~3倍にもなる量である。撮影者の証言によると、このおばあさんは、金を稼ぐために山に行って薪を集めて売っているのだという。

自分が食べていくのも困難な人に、親の扶養ができるはずがない。国家も老人の基本的な生活を保障することを放棄したままだ。北朝鮮では、今も多くの老人が路上に追いやられている。

※社会主義労働法では、労働能力を失って面倒を見る人がいない老人や障害者は、国が養老施設で無料で世話をすることになっている。

最終更新:7月27日(水)10時57分

アジアプレス・ネットワーク

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。