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東京改革の最重要テーマは「情報公開」だ

NewsPicks 7月26日(火)16時0分配信

橋下・大阪改革のブレーンが語る「東京改革プラン」

東京は今、改革期を迎えている。では、どんな改革をどう進めればいいのか。その質問をぶつける、ベストな人物が“改革請負人”として知られる上山信一・慶応義塾大学教授だ。上山氏は、運輸省、マッキンゼーの共同経営者を経て、過去10年、ブレーンとして、大阪府・大阪市の改革に携わってきた。新・都知事がやるべき改革、改革のためのゲームプラン、各候補者の評価、橋下知事に学ぶ改革のリーダーシップ、東京のポテンシャルなどについて聞いた

東京は争点をつくりにくい

──今回の都知事選の争点は何ですか?

そもそも、自治体の仕事はとても幅が広いが、その中でも、東京都は少し特殊なところがある。

東京は23区があって、都でカバーする領域と、特別区でカバーする領域の線引きがあいまいだ。

たとえば、待機児童は、東京都全体として大きな問題だし、お金を出す必要があるけれども、基本は区の担当なので、都として直接は何もしていない。こうした、都と区の狭間に落ちるような分野が結構ある。

一方で、都は国政とも密接なところがある。右や左といったイデオロギーの話や、憲法改正、軍事、日中関係といった、都政と直接関係ない話まで持ち込まれてしまう。

つまり、東京都は、国と区という上下の境目がぼやっとしている。都道府県はどこも同じ傾向があるが、東京の場合いっそうぼやっとしている。

もうひとつの東京の特徴は、「お金がある」ということだ。

普通の自治体は、大阪が典型だが、お金がないので争点が絞られる。お金がない中で、優先順位をつけるという議論になる。

しかし、東京は財政が豊かなので、「どれも大事」という話になってしまい、各候補者が同じようなことを言う。子育ても大事だし、高齢者も大事だという話で、争点がなかなか絞れない。

そのため結局は、「失点をおさえる戦い方」と「いちばんマシな人を選ぶ」という消去法的な選挙に“構造的”になってしまう。

実際、過去20年、東京では明確な争点が表に出たことはほとんどないと思う。

出てくる争点は、後ろ向きの話ばかり。たとえば、「築地市場の移転は間違っているのではないか」「都庁を建てるのは無駄だったのではないか」といった議論になってしまう。

──東京都政に関して政策論争が盛り上がらないのは、都民が無関心だからでも、都民の民度が低いからでもなく、構造的な問題であると。

そう、構造に原因がある。都政においては、争点を炙り出すだけでも大したものだと言える。

その意味で、(元東京都知事の)猪瀬直樹さんが取り上げた「地下鉄民営化」は争点としてはよかった。地下鉄民営化は、大阪ではお金がないので深刻なテーマになっているが、東京は余裕があるので、見事なまでに争点になっていない。

石原慎太郎さんもセンスがあった。

外からは“思いつき”だと言われていたが、そうでもないと思う。これだけ争点の掴みどころのない東京で、ディーゼル車の問題といった、人々が興味を持ちやすいものをセンスよくピックアップしてきた。その意味では、やっぱり天才的だと思う。

したがって、まず「東京都は争点をすごくつくりにくい」ということを前提として考えるべきだ。

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最終更新:7月26日(火)16時0分

NewsPicks