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宇宙飛行士・山崎直子に聞く--宇宙での任務中に大切にしたことと、試験・訓練での心構え

SENSORS 7/26(火) 14:51配信

中学生の頃NASAを訪れたことをきっかけに宇宙の魅力に惹かれ、宇宙のことを学ぶためには不可欠な物理を学ぶべく、大学では理学部物理学科に進学。大学在学時から現在まで、“宇宙の魅力を発信する“という立場から活動。宇宙飛行士を目指すタレント・黒田有彩による連載。宇宙をとりまくエンターテインメント・テクノロジーを中心に、様々な角度から宇宙の魅力を伝えていく。
今回は、イベント「ELLE WOMEN in SOCIETY 2016」に登壇した宇宙飛行士・山崎直子さんへの取材の模様をお届け。

黒田有彩さん(@arisakuroda)が投稿した写真(インスタグラム)はこちらから

黒田有彩です。ハースト婦人画報社『エル・ジャポン』主催で、“すべての働く女性たちへ“として行われた(6月18日)イベント「ELLE WOMEN in SOCIETY 2016」。今回のテーマは「~サステナブルワーク~ 人を幸せにする仕事」。
自己実現だけでなく、まわりの人のため、社会のためにどんなふうに働くことができるのか。第一線で活躍されているスピーカーの方々のお一人が、私が尊敬する宇宙飛行士の山崎直子さん。宇宙飛行士を目指そうと思ったのも、この連載が始まったのも、山崎さんの一言があったからでした。イベントで登壇された後、個別にインタビューもさせていただきました。お会いするのは昨年の夏以来、4回目。貴重なお話、伺ってきました。

狭い宇宙船の中ではコミュニケーションが大切

イベントで登壇された山崎さんは、JAXAのブルースーツを思わせる綺麗なブルーのワンピース。「宇宙、人、夢をつなぐ」と題してお話されました。山崎さんにとっての“サステナブルワーク“とは。

【宇宙飛行士として】
狭い宇宙船の中で、国籍も文化も年齢も全く違う人と一緒に共同生活をする宇宙飛行士という仕事。大切なのはコミュニケーションです。プライバシーもそんなにはない中では、スマートな部分だけではなく、人と人との人間臭い関係、ある意味泥臭い関係が、実は大切なんですね。
無重力の宇宙船の中では、上も下もありません。頭が向いているところが上、足がある方が下、と宇宙飛行士は適応していきます。人によって上下向いている方向がバラバラなので、会話をするときは「あなたの上を見てください」とか「あなたの下のものを取ってください」というように、相手の立場に立たないと通じなくなってしまいます。よくコミュニケーションは相手の立場に立つことが大切だと言われますが、それが極限になったような環境なんですね。

【女性として】
宇宙船の中には自然も緑もなく、無機質で殺風景です。ですがそういう中で、口紅を塗ったり華やかな色の服を着たりすると、自分自身も気持ちが明るくなるし、周りも雰囲気が変わるんですね。ある意味極限の中だからこそ、色々なファッション、お化粧がもつ力はすごいなと再認識しました。宇宙のことをコスモスと言いますよね。お化粧のコスメティクスという言葉は、宇宙のコスモスが語源です。コスメティクスがもつ力は、宇宙に繋がるものがあるのではないかなと感じるんです。

【宇宙へ飛び立って】
11年の訓練の後、いざ宇宙へ飛び立つときがやってきました。宇宙空間に着いてふわっと身体が浮いたとき、やっと来たんだという実感だけでなく、どこか懐かしいなという感覚がありました。それは水の中にいるような、母親の胎内にいるような感覚に近いのかもしれません。私たちの身体は、元々は宇宙のカケラ、星のカケラで出来ています。だから、宇宙は遠いところなのではなくて、私たちのふるさとなのだと感じました。
宇宙から地球を見たとき、地球が頭上に見えたことには驚きました。宇宙というと、空を眺めてその先にあるもので、仰ぎ見るものというように思っていましたが、むしろ宇宙から見ると、地球の方が仰ぎ見る存在なのかもしれませんね。
宇宙から見る地球ももちろん綺麗でしたが、地球に戻ってきたときにふわっと風が吹いてきて、周りの草や木の香りが漂ってくるんです。それを嗅いだときにすごくいいなと感じました。普段見慣れている日常の景色、それが何よりいとおしくて、その中に物事の本質や色々な幸せが隠されているんだろうなと、そうしたことにいかに気づけるかが大事なのかなと感じました。

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最終更新:7/26(火) 14:51

SENSORS

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