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旭化成、石油化学に400億円投資-研究開発施設や水島で電池向け原料増産

日刊工業新聞電子版 7月26日(火)10時27分配信

 旭化成は2016―18年度の3年間に石油化学事業で総額400億円の設備投資を行う。水島製造所(岡山県倉敷市)で電池用セパレーター(絶縁材)向け原料を増産するほか、研究開発棟の新設などに充てる。既存設備の維持更新も計画する。基礎化学品の事業環境が依然として厳しい中で、構造改革による収益安定化を優先させつつ成長領域への投資は継続する考えだ。

 旭化成は17年度に水島製造所で超高分子量ポリエチレンの生産能力を倍増させる。リチウムイオン二次電池や鉛蓄電池用セパレーター向けの需要が伸長しており、増産投資を決めた。投資額は10億円以上と見られる。15年にセパレーター世界大手の米ポリポアを買収し、顧客網が広がったのも一因だ。

 同製造所では新しい研究開発棟を建設する。隣接する既存棟の改造も行い、18年6月に全ての工事が完了する予定。収容人数は当初約150人。投資額は約30億円だ。また、ポリカーボネート樹脂原料であるジフェニルカーボネートの新製法の実証プラントを同製造所に来春新設する。年産1000トンで、他社への技術ライセンスに向けた商用化技術の確立を目指す。半年程度の実証後は、同プラントをウレタン原料などの特殊イソシアネート製造に転用する方針。

 主力製品である繊維・樹脂原料のアクリロニトリル(AN)は世界2位ながら収益が低迷している。15年は中国で新工場が相次ぎ立ち上がり、市況が悪化。同社はタイ工場で新しい触媒技術を導入して生産効率を高めるなどの対策を講じる。

 近年はエチレンやAN、スチレンモノマーなど基礎化学品の構造改革を行っており、収益安定化のめどが付きつつある。一方で、セパレーターやタイヤ向け合成ゴムなどの高機能・高付加価値品を伸ばし、18年度にマテリアル部門全体で売上高1兆2500億円(15年度比24・5%増)、営業利益1000億円(同26.3%増)を目指す。

最終更新:7月26日(火)10時27分

日刊工業新聞電子版