ここから本文です

<オスプレイ配備計画>漁業者、国策に不信感「米軍来ない確約を」「諫干開門解決が先」 防衛局説明会、溝埋まらず

佐賀新聞 7月26日(火)11時41分配信

 「将来も米軍は来ないと大臣は確約できるのか」「諫早湾干拓の開門が先決だ」。1時間半にわたり九州防衛局による自衛隊オスプレイ配備計画の説明を受けた漁業者の代表者たちは反対や懸念の声を上げた。有明海の環境への影響や事故時の対応、米軍利用の可能性などの疑問をぶつけたものの納得いく回答は得られず、消化不良に終わった。国策への不信感は根強く、反対のトーンをさらに強めた。

 報道陣に全面公開された説明会。口火を切った佐賀市支所の杉町省次郎運営委員長は「万が一の事故で汚染された場合の風評被害への補償が明記されていない」と指摘した。防衛局の市川道夫企画部長は「直接のお答えにならないと思いますが」とした上で、事故後の応急処置や経営への直接的な損失が生じた場合の補償について説明した。

 国営諫早湾干拓など、国の公共事業に対して漁業者が抱く不信感も改めて浮き彫りになった。鹿島市支所の中村直明運営委員長は「諫早湾の今をご存じですか」と語気を強め、「有明海異変で20年近く国にお願いしてきたのに何も聞いてもらえない。ここで『何かあれば対処する』と言ってもらっても安心できない」と突き放した。

 「将来も米軍が来ないことを約束できるか」と切り出したのは空港に近い大詫間支所の糸山徳雄運営委員長。市川部長は慎重に言葉を選びながらも「沖縄の負担軽減は必要。現時点で佐賀空港だけを除外して日本全体のことは考えられない」と強調した。糸山氏が「『米軍は来ない』と大臣とはっきり決めてもらえませんか」と迫ると、「申し訳ない」と繰り返して明言を避けた。

 漁業者と防衛省の溝は埋まらず、新有明支所の岩永強運営委員長は「防衛局と漁業者の環境に対する考えは、今のままではあまりに隔たりが大きい」とし、「ますます施設拡大の懸念が進んだ。諫早湾干拓の問題を解決しないことにはいくら説明しに来ても意味がない」と断じた。

 15支所のうち11支所の運営委員長が発言し、すべて配備計画の懸念や反対姿勢を明確にする内容だった。地権者の大半が所属する南川副支所は発言を控えた。終了後、同席した佐賀県の落合裕二政策部長は「漁協の疑問や不安の声を防衛省に伝えていくが、そのやりとりがどれだけ続くのかは見通せない」と話した。

最終更新:7月26日(火)11時41分

佐賀新聞