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唐津商の主将・井上、大車輪の活躍 リードオフマン、3安打4打点 高校野球佐賀大会決勝

佐賀新聞 7月26日(火)12時12分配信

 九回2死。佐賀商最後の打球を唐津商の右翼手井上樹希也ががっちりつかんだ。マウンドには喜ぶ仲間の姿。「頭が真っ白になった。『ああ勝ったんだ』とわかった」。3安打4打点と大車輪の活躍でチームを5年ぶりの甲子園に導いた主将は、一足遅く歓喜の輪に加わると、飛び上がるスタンドのチームメートを見て、もう一度、喜びをかみしめた。

 井上は昨夏、大会直前に頭部の骨折で離脱を余儀なくされた。新チームで主将に起用されたが、昨秋、春と結果は出せなかった。

 迎えた最後の夏。主将として考えたのは「みんなを一つにしたい」ということだった。ベンチを外れた経験から、スタンドの選手も含めた一体感を大切にしたかった。

 決勝戦。佐賀商はNHK杯1回戦で完敗した相手。吉冨俊一監督は「誰もうちが勝つとは思っていない。いつも通り最後まで楽しめ」と決勝にナインを送り出した。

 この一言で生まれた「開き直り」が好循環を生んだ。甲子園へ、というより、3年生最後の試合といった感覚が強かったかもしれない。井上も「笑顔で楽しく、思い切りやるだけ」と初回に二塁打を放つと、二回にも適時二塁打を放って、ここまで打率2割6分9厘と苦しんだ打線を一気に勢いづけた。

 試合後、唐津商はスタンドとグラウンドが一体になって凱歌(がいか)を響かせた。「甲子園もみんなの力を合わせて、楽しく野球がしたい」。井上の夏はまだ終わらない。

最終更新:7月26日(火)12時12分

佐賀新聞