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【ブラジル】17カ月連続前年割れ 先行き見通しは改善=零細小企業

サンパウロ新聞 7月26日(火)3時47分配信

 相変わらず弱々しい需要がサンパウロ州の零細・小企業の業績を17カ月連続の前年同月割れへと導いた。しかし、先行きに対する経営者らの見方は明るさを取り戻してきている。零細・小企業支援サービス機関サンパウロ州支部(Sebrae―SP)の調査結果として伯メディアが12日付で伝えた。

 零細・小企業支援サービス機関サンパウロ州支部の調査によると、同州内の零細・小企業の2016年5月の売上高は合計473億レアル(約1兆4190億円)、前年同月に対して実質9.9%減と沈んだ。産業別では、工業が同18.7%減と最も大きな落ち込みを記録。サービス業と商業の売上高もそれぞれ11.8%、5.6%、前年同月を下回った。

 月間売上高が17カ月連続での前年同月割れを記録したわけだが、その一方で、同調査は業績が上向く期待をも示している。売り上げの落ち込みペースはここ2カ月のそれに比べて弱くなっており、そのことは、起業家らの信頼感にも反映されている。6月からの向こう6カ月間について、自社の売り上げが「上向く」との期待を示した零細・小企業経営者は全体の29%で、15年6月調査時点の18%に比べて拡大した。また「横ばい」とする回答は1年前の60%から52%に縮小した。

 今年6月の調査では、ブラジル経済全体の先行きについての見方にも改善が見られた。向こう6カ月の間に「良くなる」との見方を示した経営者は全体の28%と、15年6月調査時の11%を大きく上回った。逆に「悪化する」との見方を示した経営者の割合は1年前の38%から、その半分に満たない17%にまで減った。

 同支部のパウロ・スカフ支部長は「マイナスの結果が強さを失い始めていることで、経営者は、悪い時はもう過ぎた、成長を再開する時だと信じるようになった。今度は前政権によって失われた信頼を政府が回復させ、成長再開に青信号を点灯させる番だ」としている。

 サンパウロ州内各地域の中で16年5月の売り上げの落ち込みが最も激しかったのはサンパウロ市を含む39都市で構成される大サンパウロ都市圏で、同地域の落ち込みは前年同月比14.7%減に達した。他の地域の落ち込みは、サンパウロ市が13.3%、サンパウロ市近郊の工業集積地域であるABCパウリスタは11.5%、そして地方部は最も小さい4.6%だった。

◆個人零細企業の見通しも改善

 零細小企業支援サービス機関サンパウロ州支部は、州内の個人零細企業に対しても同様の調査を実施している。その調査結果によると、16年5月の個人零細企業の売上高は23億レアルと、前年同月を18.8%下回った。これは零細・小企業よりも大きな落ち込みだ。産業別では、商業が26.0%減、サービス業が14.2%減、そして工業が13.4%減だった。

 ただし、先行きへの期待感は零細・小企業と同様に改善が見られた。向こう6カ月間の自身の売り上げ見通しについては個人零細企業の45.0%が「横ばい」と回答、15年6月調査時の38.0%を上回った。また「上向く」との回答は昨年の42.0%から43.0%へわずかに拡大、「落ちる」と答えた人は14.0%から9.0%に減った。

 ブラジル経済の先行きについても「横ばい」とする回答が41.0%と最多数だった。1年前の調査で「横ばい」としたのは28.0%だった。また「良くなる」との回答も昨年の26.0%から40.0%に増え、「悪化する」との見方を示した人は43.0%から15.0%に減った。

 同支部のブルーノ・カエターノ専務理事は「消費者の購買力低下が、洋服直しやマニキュア、石工などといった分野に従事する個人零細企業の売り上げにダイレクトに打撃を与えている」とした上で、「しかし、先行きに関する前向きな見通しは心強い。重要なのは、それぞれが活動する競争の激しい市場において抜きん出ることだ。準備ができている者は、経済が成長を再開した時に結果を得ることができる」と話す。

 今回の調査では、サンパウロ州内の零細・小企業経営者1700人と個人零細企業1000社に対して聞き取りを行った。同調査では、商業及びサービス業においては従業員49人以下、工業においては99人以下で、年間売上高が360万レアル以下の企業を零細・小企業としている。

サンパウロ新聞

最終更新:7月26日(火)3時47分

サンパウロ新聞