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大涌谷、新基準導入 ガス濃度監視、園地閉鎖も

カナロコ by 神奈川新聞 7月26日(火)12時30分配信

 火山活動に伴う立ち入り禁止措置が約1年3カ月ぶりに一部解除される箱根山・大涌谷で26日から、箱根町が火山ガスの新たな規制基準を導入し、独自の避難対策を開始する。現在でも観測されている二酸化硫黄(SO2)と硫化水素(H2S)の濃度に応じて避難の必要性を即座に判断し、危険な場合は大涌谷園地を閉鎖。箱根ロープウェイも運行を中止する。観光客らの安全確保を最優先にするためで、今後は園地内に看護師も配置していく考えだ。

 新たに運用を始める規制は、箱根山火山防災協議会の「大涌谷周辺の観光客等の避難誘導マニュアル」に基づく内容。同マニュアルは火山活動活発化直前の昨年3月にまとめたが、当時はガスの影響が長期化する事態は想定していなかった。活動が徐々に収まり、昨年11月に噴火警戒レベルが最低の1(活火山であることに留意)に引き下げられた後も著しい改善がみられなかったため、利用再開に備えた今年4月の改訂で、基準や対応策を盛り込んでいた。

 それによると、ぜんそく患者らが吸い込むとせき込んだりするSO2の観測値が0・2ppm以上になった場合は、「気分の悪い方は監視員や従業員に声を掛けてください」と注意喚起の放送を行う。5ppm以上のときは「注意情報」として駅舎や園地内の店舗に避難する屋内退避を呼び掛け、10ppm以上で災害対策基本法に基づく避難指示を園地に発令、「警戒情報」を放送する。H2Sについても、SO2と同様に3段階の濃度基準に応じた規制措置を講じる。

 一方、ロープウェイは注意喚起の放送時点で運転を休止し、ガス濃度の変化を見極めた上で再開するかどうかを判断する。

 大涌谷駅前の箱根ジオミュージアムをガスの監視拠点とし、一般客の園地への立ち入りが可能な午前9時から午後5時まで監視員が常駐。体調不良の人が出た場合に備えて救護所を設置する駅や店舗と協力し、見回りや濃度のモニタリングを行う。これらの施設で受け入れ可能な避難者は約2700人に上り、町は大涌谷のピーク時の来場者をカバーできるとみている。

最終更新:7月26日(火)12時30分

カナロコ by 神奈川新聞