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県内の子ども虫歯最少 15年度12歳0.85本 

北日本新聞 7月26日(火)0時23分配信

■かむ・飲み込む力は衰え

 県内で子どもの虫歯が減っている。2015年度の12歳児1人当たりの永久歯の虫歯本数は0・85本で過去最少を更新し、この10年間で半減した。県歯科医師会は保護者の健康への意識の高まりや、歯へのフッ素塗布などさまざまな要因が重なっての減少とみる。一方で、かんだり飲み込んだりする口腔(こうくう)機能は衰えが目立ち、口全体の健康を育む必要性を呼び掛けている。(社会部・荒木佑子)

 県内の15年度の虫歯(治療済み含む)のある子の割合は小学校50・2%、中学校38・7%、高校47・2%で、いずれも10年間で20ポイント以上減少。12歳児の永久歯の虫歯は06年度の1・68本から0・85本に減り、全国平均を0・05本下回った。

 県は1995年度に「むし歯予防パーフェクト作戦事業」を市町村主体でスタート。1歳半~3歳健診時に歯にフッ素を塗ったり、保育所・幼稚園、小中学校でフッ化物溶液によるうがい「フッ化物洗口」を推進したりして予防に努めてきた。

 12歳児の虫歯が0・24本と県内で最も少ない砺波市では、希望者へのフッ素塗布やフッ化物洗口を実施。1歳半健診時から保護者への指導を徹底し、幼稚園・保育所、小中学校では歯科衛生士による虫歯予防教室を開く。市健康センターの歯科衛生士、中山里江子さんは虫歯が少ない理由を「1歳半から切れ目なく関わることで親御さんの意識付けができ、各家庭で仕上げ磨きなどを努力されてきたからではないか」とみる。

 独自の取り組みを続ける市もある。高岡市は1952年から毎年、小中学校の代表者が歯の健康状態を競うコンテストを開催。歯に対する意識向上が目的で、12歳児の虫歯本数が10年間で半減するなどの成果に結びついている。

 長年、子どもの虫歯の減少を研究してきた城川歯科医院(富山市蓮町)院長の城川和夫県歯科医師会副会長(63)は、減少の要因について▽甘い食べ物の摂取量の減少▽フッ素塗布・フッ化物洗口の推進▽フッ素入り歯磨き粉の普及▽少子化による親のケア向上-などを挙げる。「さまざまな要因が重なった結果。一番大きい要素は、虫歯にならない方法を人々が考えるようになり、行動を変えたことだろう」と分析する。

 城川副会長は、近年はあごが小さく歯並びが悪い子が増え、かめない、上手に飲み込めないなど、高齢者にみられるような症状が目立つことも指摘。多様な加工食品があふれる現代は、やわらかく食べやすいものが好まれ、かむ習慣が付きにくい。かまないと唾液が減り、のどに食べ物を詰まらせやすく、口内で菌が繁殖しやすくなるなど、さまざまな問題が生じるという。

 城川副会長は「よくかむ習慣を付けることが大事。虫歯予防だけでなく、口腔機能の大切さを教える健康教育にも力を入れないといけない」と話した。

北日本新聞社

最終更新:7月26日(火)0時23分

北日本新聞