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【マレーシア】個人の罪、法で裁くべき=第2財相、米提訴で

NNA 7月27日(水)8時30分配信

 マレーシアのジョハリ・アブドゥル・ガニ第2財務相は26日、記者団に対し、米国司法省が政府系投資会社ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)の資金流用疑惑で関連する資産10億米ドル(約1,042億円)余りの差し押さえを求め、ロサンゼルス連邦地裁に提訴した件で、個人が海外で犯した罪について政府が関与すべきではなく、各国の法に従うべきと述べた。
 
 ■首相義理の息子ら関与に「驚き」
 
 1MDB疑惑に関連して、ナジブ首相の義理息子のリザ・アジズ氏やマレーシア人投資家ジョー・ロー氏などの名前が米司法局の訴状リストに挙がっている件については、「1MDBの取引相手はアブダビの政府系投資会社IPICのみであり、特定の個人との取引はない」と強調。こうした個人名が出てきたことに「驚いた」と述べる一方で、「IPICがこれらの個人と取引をしていたとすれば、それは(マレーシア政府が)関与することではない」と話した。ただし、IPICとの取引の詳細については、同社と子会社アーバル・インベストメンツPJSとの間で起きた社債利払いをめぐる争いを、英国ロンドン国際仲裁裁判所に委ねているため、「係争中の案件につきコメントできない」と話した。
 ジョハリ第2財務相は、「各国捜査機関が自国内で起きた犯罪に対する捜査をするのは彼らの権利であり、侵害すべきではない。また、個人が海外で犯した罪について政府が関与すべきではなく、各国の法に従ってしかるべき措置を受けるべきだ」と述べた。
 野党の一部議員が、疑惑の解明を求めて臨時国会の開催か特別審議会の設立を求めているが、ジョハリ第2財務相は、「1MDB問題は最近始まったことではなく、国内外の捜査機関が2年余りかけて捜査している」と強調。疑惑の実態は白日の下にさらされており、あらためて国会で審議する必要はないと考えを述べた。
 
 ■海外の投資意向、変化ないとの見方
 
 今回の米国司法省の動きを受けて、1MDBと関係が深い中国をはじめとする海外からの投資マインドが変化するのではないか、という質問に対しては、「中国企業とは既に契約を締結しており、状況に変化はない」との考えを示した。「(疑惑が取りざたされる中でも)1MDBが関係する国際金融区トゥン・ラザク・エクスチェンジ(TRX)やバンダル・マレーシア計画に各国から巨額の投資が行われているのが、投資マインドに変化がない何よりの証拠だ」と強調した。
 マレーシア・クアラルンプール(KL)とシンガポールを結ぶ高速鉄道(HSR)の発着駅が設置されるKL南部の「バンダル・マレーシア」再開発計画には、ジョホール州政府系企業のイスカンダル・ウオーターフロント・ホールディングス(IWH)と中国鉄路工程集団(中国中鉄、CREC)のコンソーシアムが1MDBの保有株式を買い取り、60%を出資した。また、中国の国有原子力発電大手、中国広核集団(CGN)は、1MDBの子会社エドラ・グローバル・エナジーが保有する発電資産の全てを買収している。
 一方で、ジョハリ第2財務相は、「1MDB問題は、コーポレートガバナンス(企業統治)の脆弱性や不透明性が招いたことを肝に銘じ、財務省傘下の企業を含め全ての政府系企業(GLC)はこの問題に学ばねばならない」と話した。

最終更新:7月27日(水)8時30分

NNA