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夏の海にお酢はOK、レモンはNG しかたにさんちの自然暮らし(3)

琉球新報 7月27日(水)12時0分配信

 沖縄の自然のビーチで遊ぶときに、お母さん方がまず気にするのが「クラゲが出るかどうか」。

 8月はクラゲが出やすい季節です。沖縄で恐れられているハブクラゲは、傘が四角い「立方クラゲ」という、非常に毒が強い仲間。実際に、幼児がハブクラゲに刺され、毒によるショックで亡くなる痛ましい事故も起こっています。

 ハブクラゲは、自然のままの海岸ではそれほど多くは見られません。ハブクラゲが好きなのは、防波堤の内側や漁港のように、波が穏やかで、やや濁ったような場所。海中にコンクリートの壁面があって、他の生物があまりいない場所です。そういう場所ではクラゲの赤ちゃんが発生しやすく、そこから周囲のビーチに流れて来るのです。人工ビーチは埋め立て地であることが多く、どうしても周囲でハブクラゲが発生しやすい環境であるように思えます。

 そこで、クラゲよけネットのない自然のビーチはもちろん、人工ビーチでも、泳ぐ時はラッシュガードを上下で着ましょう。これは日焼け対策も兼ねます。

 ところで、クラゲにはお酢!というのはよく知られていますが、お酢の役割はご存知ですか?

 お酢はタンパク質を固める働きがあります。ハブクラゲの触手にお酢をかけると、触手の細胞が固められて、それ以上毒針が出なくなる、という仕組みです。ところが、クラゲの種類によっては、逆効果の場合も。イソギンチャクなどに対してもお酢が効くとは限りません。そこで、お酢が効くのはハブクラゲだけ!と覚えておく方が無難です。

 ハブクラゲに刺されると、肌に触手が張り付いて残っていることが多いので、まずお酢をかけてそれ以上刺されないようにしてから、触手をはがし、病院に行ってください。

 お酢は決して傷を治しません。ハブクラゲの毒は強く、痕が残る場合もあるので、きちんと治療してもらうことが大事です。

 さて、熱中症対策のお話もしましょう。この対策の一番は、こまめに水分を取ること。体が一度に吸収できる水は、せいぜいコップ1杯程度だそう。だから、喉が渇いていなくても、30分に1度くらいは周囲に「お水飲みタイム!」と声をかけて、水分を取るようにしてくださいね。

 うちでは熱中症対策のドリンクを手作りします。水にはちみつを溶かし、さとうきび酢やりんご酢を少々、塩をひとつまみ混ぜればOK!分量は、味見しながらお好みで。要は、元気の出る糖分とクエン酸、汗で失う塩分を、まとめて補給できるレシピになっていればいいんです。スポーツドリンク粉末を使うのも便利ですが、糖分が多く甘すぎるので、その場合は水で倍に薄め、果実酢と塩を少々加えています。

 近年、柑橘類やきゅうりに含まれる「ソラレン」という物質が、体への紫外線の吸収を促進すると言われています。以前は私もレモンやシークワサーをドリンクに絞っていましたが、これは日に当たる前と当たる間は控えて。お家に帰った後に、柑橘系のビタミンCで元気をつけたら良いですね!

鹿谷麻夕(しかたに自然案内)

 しかたに・まゆ 東洋大、琉球大卒。東大大学院中退。東京で生まれ育ち、20代半ばで文系から理系に転向、沖縄に来てサンゴ礁を学ぶ。その後、しかたに自然案内を主宰し、県内で海の環境教育を行う。本と音楽と野良猫を好む。

琉球新報社

最終更新:7月27日(水)12時0分

琉球新報