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マイナス金利のマイナス面:気になる年金債務の増加リスク

投信1 7/27(水) 12:05配信

金利低下で企業年金債務が膨張

2016年7月26日付け日本経済新聞は、「上場企業の年金債務の合計が2016年3月期末で91兆円と過去最大になった」と報じています。

最近の株式市場では、政府・日銀に対してマイナス金利の深掘りなど、さらなる金融緩和策への期待が高まっています。追加緩和策は実質金利の低下をもたらし、一層の円高を阻止することや、銀行には貸出増加を、企業には内部留保をため込む代わりに設備投資の増加をもたらす、といったプラス効果も期待できるためです。

ただし、金利が低下すると、年金費用の増加や自己資本比率の低下など、個別企業レベルではむしろマイナス影響が大きくなる可能性があることが、こうした報道から改めて感じられると思います。

とはいえ、会計制度の専門家ではない個人投資家には理解がやや難しい内容ですので、ここで、改めて金利が低下するとなぜ企業業績が圧迫される可能性があるのか、おさらいしてみたいと思います。

マイナス影響が現れる企業年金制度とは

まず、この報道を正しく理解するためには、企業年金には確定拠出型と確定給付型の2通りがあることを知っておく必要があります。

確定拠出型年金は、企業が将来の年金資産のために、従業員に対して毎年一定額(掛け金)を拠出する制度です。運用は個人の自己責任で行われ、上手くいけば高いリターンを将来得ることができます。一方、上手くいかなかった場合も自己責任ですので、企業が責任を負うことはありません。

これに対して、確定給付型年金は、将来の年金の給付額を企業が確定(保証)するものです。ただし、運用は安全重視で行われますので、受け取れる金額は自分でリスクを取って運用した場合よりも少なくなる可能性があります。

このように、企業年金には2つの制度がありますが、企業業績が金利低下の影響を受けるのは後者の確定給付型の場合です。

すべての企業が確定拠出型年金に移行していれば、今回の記事のような問題は起きないわけですが、厚生労働省によればその加入者数は2016年3月末時点で日本の労働力人口の1割弱に留まっています。2001年に確定拠出年金が導入されてから約15年経過しても、まだこれほど低い割合なのです。

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最終更新:7/27(水) 16:10

投信1

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