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正義か暴走か? FBIが行なった「前代未聞のハッキング作戦」 (1) FBIが児童ポルノサイト運営、スパイウェアを配布

THE ZERO/ONE 7/27(水) 10:38配信

悪名高きダークウェブの児童ポルノサイト「Playpen」がFBIに検挙された。米国の複数の州から多数の利用者が逮捕され、それぞれの裁判の行方が注目されている。「Playpen」の事件の概要、判決にいたるまでの流れと、何が論点になっているのかをこの記事で明かしていきたい。まずは、事件ついて確認してみよう。

21万人以上のペドフィリアを集めた闇サイト

児童虐待のコンテンツに特化した違法サイト「Playpen」は、Torの秘匿化を売りにしたダークウェブのサービスだった。誰がログインしているのか分からない状態で、児童虐待コンテンツのアップロード、ダウンロードができる闇サイトである。つまり、法に触れる内容の児童ポルノを逮捕されることなく楽しみたい、と望んでいるペドフィリア御用達のサービスだ。

このPlaypenは、2014年8月の開設からわずか1ヵ月で6万人の会員を集め、さらに翌年には21万5000人近くの会員数を誇る人気サイトへと成長した。Torを利用しなければアクセスすらできない違法サイトであったにも関わらず、週あたり1万1000人のユニークユーザーが訪問していたと報告されている。

FBIの証言によれば、Playpenに存在していた11万7000点以上のコンテンツの多くは「想像しうるかぎりで最も過激な類いの児童虐待の画像や動画」だった。その他には、児童虐待の罪を犯す者がオンラインで検挙されないようにするためのアドバイスなども掲載されていたという。なおFBIはPlaypenを「世界最大級の児童ポルノの秘匿サービス」だったとも表現している。

135人以上の逮捕者は主にホワイトカラー

このダークウェブの児童虐待サイトがFBIに捜査され、利用者が逮捕されたことが大々的に報じられたのは、2015年の7月初旬だった。この時点ではサイトの名前が明かされておらず、法廷文書の中でも「Website A」という表記が用いられていたのだが、のちにそれはPlaypenであったことが判明する。

当初、多くのニュースは「少なくともニューヨーク州の2名が」、そのサイトから画像をダウンロードした(あるいは所有した)容疑で逮捕されたというロイターの報道を大々的に伝えた。しかし、その後も逮捕者は着々と増えていた。

現時点で何人の容疑者がいるのか、正確な数字を確認している報道機関はないようだ。今年4月10日のHouston Chronicleは、「これまでに18の州で、少なくとも135名以上のユーザーが」Playpenに関連した児童虐待の容疑で逮捕されていると報じた。同紙の説明によると、逮捕者の多くは小児科医、大学教授、元銀行幹部、連邦政府のエージェントなどを含めた「専門職のホワイトカラー」だったという。また現在、容疑者の総数を「少なくとも137人」と伝えている報道も複数ある。

このことからも分かるように、一人ひとりの容疑者が逮捕されるたびに大きな話題となったわけではない。むしろほとんどが報道されぬまま、気がつけば100人以上まで増えていたというのが筆者の印象だ。しかしワシントン州バンクーバーで20年以上教務についていた公立学校の教師が逮捕された事件など、特に世間の注目が集まりそうな事例はニュースとなって拡散した。ちなみにこれらの報道では多くの場合、容疑者の実名が掲載されている。

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最終更新:7/27(水) 10:38

THE ZERO/ONE

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