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なぜ東京は「つまらない街」ばかりになったのか

NewsPicks 7/27(水) 6:00配信

橋下・大阪改革のブレーンが語る「東京改革プラン」

東京は今、改革期を迎えている。では、どんな改革をどう進めればいいのか。その質問をぶつける、ベストな人物が“改革請負人”として知られる上山信一・慶応義塾大学教授だ。上山氏は、運輸省、マッキンゼーの共同経営者を経て、過去10年、ブレーンとして、大阪府・大阪市の改革に携わってきた。新・都知事がやるべき改革、改革のためのゲームプラン、各候補者の評価、橋下知事に学ぶ改革のリーダーシップ、東京のポテンシャルなどについて聞いた

本庁のエリート職員は半分でいい

──「情報公開」以外の重要な争点は何ですか?

財政問題だと思う。

現時点では、東京の財政状態は健全だ。大阪、愛知などと比べても、東京一人勝ちと言える状況にある。

しかし、これから東京も超高齢化していく。そうすると、東京都心部の豊かな地域はまだいいが、周辺部は急速に劣化していく。

周辺部の中には、団塊世代が多くて、高度経済成長期に集中的に人口が増えている地域も多い。そうした地域で、後期高齢者が激増し始める。つまり、「収入はない、貯蓄はない、いるのは年寄りだけ」という地域が生まれる。

東京というと、23区ばかりに目が行きがちで、それらの地域は豊かだ。しかし、周辺部は、西東京市などを筆頭に財政状況が極めて悪い。

高齢者が激増すると、病院や病床が足りなくなり、医療福祉の支出が急激に膨らむ。周辺部の医療・福祉のサービスをどう支えていくかを今のうちからシミュレーションしておかないと、将来、明らかにお金が足りなくなると思う。

これらの問題を認識している、都庁の職員はいるだろうが、各局とも、長期的な発想が弱い。目の前の来年の予算のことしか考えていない。役人は、自分の任期中にできるだけ多く予算をもらうのが出世につながるので、どんどんお金を無駄に使ってしまう。

米国には、「レイニーデーズファンド」という考え方があって、将来の万一の場合に備えて基金を積んでいる。そうした取り組みが都にも必要なのではないか。「将来債務対策局」をつくってもいいぐらいだ。

今の都は、いわば、経理課はあるけれど、財務部はない会社みたいなものだ。将来を見るときに、PL(損益計算書)だけでなく、BS(貸借対照表)も見ないといけないのに、資産を有効活用できていない。大阪に比べると、極めてゆるい。

コストという点でも、削減余地は大いにある。

たとえば、地下鉄は都営と営団地下鉄を統合すればいい。2つを分けている意味は全然ない。

それなのに、なぜ統合がうまくいかないかと言うと、営団地下鉄は、国交省の天下り先だからだ。一方の都営地下鉄は都の天下り先なので、「業界内の山口組の抗争」みたいな状況になっている。双方とも、経営のことは考えていなくて、「俺の縄張りに口出すな」という戦いを繰り広げている。

都営バスも、民営化したら絶対黒字になると思う。これだけ乗客が多いので、エリア別に東急などに売ればいい。

都庁の本庁のエリート職員も、今の半分の数でいいと思う。今の都庁は、本庁の大卒エリートがやたら多すぎる。みんな超優秀だが、宝の持ち腐れで、無駄な仕事を作り出している。

都庁の職員は、民間企業なら1,2人でやる説明のために、10人ぐらいがやってくる。超優秀な局長に、超優秀な部長が説明するための資料を、超優秀な職員がつくっているようなイメージだ。

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最終更新:7/27(水) 6:00

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