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ナマズ養殖ブーム到来? 土用の丑の日 新定番に 放棄地を活用 広島・油木高校

日本農業新聞 7月27日(水)7時1分配信

 30日は「土用の丑(うし)の日」。絶滅危惧種に指定されたニホンウナギに代わる魚として、注目を集めるナマズの養殖が、広島県立油木高校(神石高原町)で軌道に乗ってきた。耕作放棄地を活用して農業を活性化するのが狙い。10月から始まるプロ野球のクライマックスシリーズに合わせ、マツダスタジアム(広島市)でフライなどにして販売する計画だ。ウナギ味のナマズの商品化に成功した近畿大学(大阪府東大阪市)に続けと、高校挙げて取り組む。

 「ナマズの照り焼きはブリに、刺し身はフグやヒラメ、タイに近い。臭みがあると思うかもしれないけれど、泥抜きをきちんとすれば大丈夫」。油木高校産業ビジネス科3年の森近圭之郎さん(17)は自信を持って“ナマズ食”を勧める。

 同校がナマズの養殖に乗り出したのは2010年。農家の高齢化で増え続ける耕作放棄地の対策を授業で考え、たどり着いたのが深さ80センチほどの池があれば生産できるナマズだった。10アールで3000~5000匹を飼える。関東では1キロ3000円程度で取引されていることから、商品性があると見込んだ。

 生産拡大の鍵を握るのが稚魚の生産だ。ウナギの代替としてナマズの需要は高まっており、稚魚の値段は高騰。利益を出すためには稚魚生産は不可欠で、昨年から校内で交配させるところから始めた。今年は約3000匹の稚魚が生まれ、1年半かけて成魚に育てる。今年は昨年養殖した1500匹程度が成魚になった。

 同校教諭の速見修史さん(57)によると、ナマズは動脈硬化の改善が期待できるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)、美肌につながるコラーゲンやビタミンB1などを豊富に含み、江戸時代はウナギよりもよく食べられていたという。海外ではナマズのフライは一般的で、日本でも普及する可能性は高いとみる。

 昨年4月からは、毎月第4日曜日に町内の直売所「油木百彩館」で生徒が自ら調理したナマズ料理を販売。「臭みもなく食べやすくておいしかった」「スーパーで切り身が売っていれば買って、家でも食べたい」などと、来店客の評価は上々だった。

 今年は、野球ファンをナマズのとりこにする作戦だ。これまでも同校はマツダスタジアムで単発的にナマズのフライなどを販売してきたが、今年からはクライマックスシリーズの試合日に常設で販売し、来年はシーズン通して販売する計画。森近さんは「ナマズを町の特産にして、全国に広めていきたい」と、ナマズに夢を託す。(柳沼志帆)

日本農業新聞

最終更新:7月27日(水)7時1分

日本農業新聞