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攻めの姿勢をみせたSCANDAL、新曲は伝えたいメッセージを超越/インタビュー

MusicVoice 7/27(水) 15:00配信

 8月21日に結成10周年を迎えるガールズバンドのSCANDALが7月27日に、通算23枚目となるシングル「テイクミーアウト」をリリースした。4月から6月にかけて国内とアジアをめぐるワールドツアー『SCANDAL TOUR 2016「YELLOW」』を成功させ、バンドとしての“スキル”と“魅力”を世界的にまた一段と押し上げた。今回のインタビューでは、東京公演で初披露した「テイクミーアウト」やRINA(Dr.Vo)がメインボーカルをとるポップなシンセサウンドが特徴的なカップリング曲「I want you」、そして、4年ぶりとなるMAMI(Gt.Vo)とTOMOMI(Ba.Vo)によるラップユニット“どぼんどぼんど”、さらに、この10年で印象が変わった点などを4人に聞いた。


■運命的なものがあったのかなとも感じた

――4月からおこなわれた『SCANDAL TOUR 2016「YELLOW」』を終えてみてどうでしたか。

HARUNA ツアーは4月から始まって6月末まであって、その間に国内とアジアと海外も含めて色んな所に行きました。そこでは、新しいお客さんがたくさん来てくれたなという印象がありましたね。『YELLOW』は4人で作詞作曲をしてすごく大切に作っていったアルバムなんです。その分、自信もあるアルバムなので、どういう風にお客さんに響いているのかなというのも気になりつつツアーを回っていました。新しいお客さんが来てくれているという事は、アルバムが気になってくれて、それで初めて知って来てくれたお客さんもたくさんいると思うので、それはすごく嬉しかったですね。純粋に音楽を気に入ってもらえたんだという安心感がありましたね。

――手応えが感じられたんですね。RINAさんはどうでしたか。

RINA すごく楽しいツアーでしたね。日本のツアーの延長にアジア公演があって、振替公演だったけどまた大阪に帰ってこられて、日本と海外をミックスさせて回れて結果的に良かったなと思っていたんです。行く前と行った後の変化もすごくわかったし、今回みたいに海外も当たり前のように一つのツアーに入れ込んでやっていくスタイルをもっと自分達のスタンダードにしていけたらいいなと思いました。今回はツアー中に九州で震災があったり、途中でMAMIが体調を崩してしまったり、色々な事があったツアーだったんですけど、やっぱりバンドや音楽のポジティブなパワーというものをすごく感じられたし、出来る事をもっと見つけて色んな事をやっていきたいなと改めて思ったツアーでもありました。

――MAMIさんはどうでしたか。

MAMI このツアーでバンドの土台がしっかりしたと思います。『YELLOW』というアルバムがものすごくシンプルだった分、ライブで演奏をしてみて初めてわかる事もあったし、自分達のスキルでもっていくような曲も多かったので、本当にお互いがお互いを「今どういう動きで、タイミングで」という空気の読み方を4人が4人ともしていたものだから「バンドしてるな!」って実感したんですよね。

――“スキル”を具体的に言うと?

MAMI そうですね、“出来る事をする”というスキルの意味というかは、“その場の空気を読む事”という感じのスキルですね。例えば「このタイミングで次曲に入る」「このタイミングでカウントをとる」とか、“お客さんを含めたその場の雰囲気を読み取って曲に入る”という事が今まで以上に自分達のタイミングになってきましたね。すごく感覚的ではあるんですけど、「今だ!」という一瞬が4人とも一致していたり。そういう気持ちの部分でも意識的に繋がる事が多かったですね。
 
――ライブを通しての空気感の“スキル”なんですね。MAMIさんはツアー中に体調を崩されてしまったそうですが大丈夫でしたか? 東京公演初日のZepp Tokyoの時は元気そうに見えましたが。

MAMI 1日目は大丈夫でしたね。でも2、3日目は熱が多少ありました。でもライブをするのは全然大丈夫な程度でしたけど。

――ファンの方達も心配してましたからね。それでもその後元気にツアーを回れたようで良かったです。TOMOMIさんはどうでしたか。

TOMOMI 日本の公演の後にアジアの公演をするというひとつのツアーパッケージみたいになっていて、そのリズムが掴めてきたなという感覚がありましたね。結果的にですけど、MAMIが体調を崩してアジア公演を終えてから大阪という自分達の結成の地でファイナルを迎えられたというのは、何か運命的なものがあったのかなとも感じたツアーでした。

――ラストが大阪になったという事でお客さんもすごく盛り上がったのでは?

HARUNA すごく喜んでくれました。やっぱり大阪は自分達の結成の地というのもありますし。そういうのはお客さんも大事にしてくれているので。

■不協和音が良いフックになっている

――今回のツアーの東京公演から今回リリースされる新曲「テイクミーアウト」が初披露になりましたが、その時すでにレコーディングは終えていたんですか。

HARUNA 終えた状態でした。

――レコーディングをした後にライブで披露するという順序だったので、やっぱり演奏も仕上がっていた感じでしょうか。

HARUNA そうですね。でもレコーディングの時の雰囲気とライブでやる時の雰囲気は全然違うし、お客さんを目の前にして演奏するのは環境も違うので、やはり気持ちは全然違いました。

――サウンド的には新しいSCANDALを感じられる曲に仕上がっていますが、これはアルバム『YELLOW』から制作時期的にも繋がっている部分があるのでしょうか。

HARUNA そうですね。『YELLOW』を作っている段階で曲自体はあったんですけど、それを聴いた時に絶対にこれを次のシングルにしたいなと思っていたので『YELLOW』には入れなかったんですよ。

――今作は今までのSCANDALの楽曲にはないリズムのアプローチだと思いました。今作で初めての試みというような感覚は何かあったのでしょうか。

RINA 祭囃子(まつりばやし)とかサンバのリズムを取り入れて、夏の野外に似合うような曲に仕上げたいというのがあったので、自然とそういうリズムになりました。自分が叩いているドラムの上に打ち込みのリズムパターンが重なってるんですよ。その後にトライアングルを重ねたりしていて、色んなビートが同時に流れているみたいな。その組み合わせがあって派手なリズムになっているんです。

――そういった組み合わせがあってこのグルーヴが生まれていたのですね。レコーディングの時はトライアングルや打ち込みのビートは既に入っていたのですか。

RINA ドラムレコーディングの時はまだ入っていなかったですね。後から重ねていきました。

――MAMIさんとHARUNAさんのギターの対比も面白いですね。右チャンネルにディレイ(編注=やまびこのような効果を生む空間系エフェクト)が効いたギターで、左チャンネルにファズっぽいサイケデリックなギターとキャラの違うサウンドで。

MAMI 2段階のイントロやリフと構成は最初からあったもので、それありきでアレンジをしていった感じなんです。ギター2本の掛け合いとか音色や上モノの飾りとかはアレンジャーさんと話し合いながら入れていきました。

――ギターのディレイサウンドがグルーヴの一端を担っていますよね。

MAMI ディレイされて重なっていく音って実は不協和音なんです。でも、その不協和音が個人的にすごく好きで、アレンジャーに「これ不協和音だけど、大丈夫?」と言われたけど「いや、それがイイんです」と。それであのフレーズはそのまま固定で最初から使っています。

――普通は不協和音の場合だと却下になってしまう事が多いですよね。ロックならではの判断ですね。

MAMI その不協和音が一瞬の重なりになっているので良いフックになっているかなと。

――TOMOMIさんは今回の祭囃子的なリズムにベースを乗せるにあたって意識した事はありますか。

TOMOMI リズムは派手だけど複雑には聴かせたくなかったから、サビでは引き算をしてベースはあえてルートをずっと弾いています。Aメロとかちょっとフックになる所でうねるようなものを入れたりはしてるんですけど。それ以外は本当にシンプルにストロングに、サビの爆発力の事を考えて敢えてそこはルートにしました。

――意外と引き算は難しいですよね。そして、HARUNAさんの歌い方がAメロでちょっといつもと違うなと感じたんです。

HARUNA 意識的に変えようというのはありました。この曲を最初に聴いた時に、ライブを意識して作った曲だけど、ただ力強いだけではなく「女性らしさ」や「しなやかさ」を感じたんです。だから自分は普通に歌うのではなく、もっと自分の中にある女性らしさみたいなものを表現したくて。それでAメロは歌い方を変えたんです。

――新鮮ですよね。「LOVE ME DO」の時はファルセットにチャレンジしたり、今回は“女性らしさ”をテーマに歌ったりと。

HARUNA そうですね。レコーディングの最中もメンバーから「もっと大袈裟に可愛らしくしてみてもいいんじゃない?」という声もありました。

――今回はややデフォルメさせたという部分もあるのでしょうか。

HARUNA 自分の意識の中ではあったんですけど、更にそれをもっと超えたのを聴いてみたいというのもあったので、その意見も取り入れつつ、色々と試しながら歌っていきました。

■深く考えずに自然に出てきた「テイクミーアウト」

――お祭り騒ぎのはっちゃけた印象の曲調ですが、歌詞を聴いていると切なくなる部分もあります。この対比は?

RINA MAMIから1コーラスのメロディのデモが送られてきた時に、「夏の野外に向けて良い曲を作りたい」という意識が4人に共通してあったんです。でも「夏」というワードを使わずに夏を感じられるような曲、四季を問わずにずっと1年中歌い続けられるような曲がいいなって思っていたんです。それでメロディやディレイのギターに呼ばれるままに言葉を並べていきました。一方で、「ラブソングに向き合いたい」というのがずっとその当時からあって、いいラブソングを作りたいなってずっと思っているんです。そういう事を思いながら「夏」というテーマを持ちつつ、自分の好きな言葉の組み合わせで作っていきました。自分の趣向が出ている歌詞だと思います。

――「Sisters」の時は映画を観てインスパイアされて作詞されていましたが、今回はサウンドに呼ばれるがままに言葉を並べていったという感じでしょうか。

RINA そうですね。

――ちょっと「駆け落ち」っぽい感じもありますが、そういうイメージも?

RINA その点の解釈は聴き手に任せたいと思っています。でも怪しい雰囲気とか大人っぽい色気がある言葉とかが好きなので、自然とそうなったのかなとも思います。

――「ウォーアイニー」などは言葉とメロディのハマり具合がいいですよね。「ボーダーライン」や「テイクミーアウト」というワードも。

RINA 意味はそのままそうですね。これも何も深く考えずに自然に出てきました。そこから、テイクミーアウトという言葉が浮かんで来て「これってどういう事なんだろう...?」という感じで掘り下げて歌詞を書いていったんです。全体の曲の雰囲気としてオリエンタルな部分が散りばめられているんですけど、音もそうだし「ウォーアイニー」とか「楽園」というワードがあったり。そこで「海外から見た日本、東京」みたいなものをテーマにしていこうと、作っている途中段階で思うようになってそういう形になったんです。せっかく日本のガールズバンドなので、ちゃんとそのオリジナリティを出したいなと思って作っていきました。

――それでタイトルをカタカナ表記にしたという意図も?

RINA 最初はそんな事は考えていなかったんですけど、自然に出て来たんですよね。掘り下げて考えてみるとそうなのかなと思ったりもします。

――どのようなシチュエーションで聴いてもらいたいですか。

RINA フェスですね。ライブで聴かせたいです。歌詞がどうとか、今これが伝えたいメッセージなんだ、みたいな部分を超越している曲だと思っているんです。ライブでとにかく盛り上がりたいですね。

MAMI やっぱりライブ曲ですよね。8月21日の『SCANDAL 10th ANNIVERSARY FESTIVAL 『2006-2016』の野外ライブで作りたい景色があって、そういうテーマをみんな共通して持っていたし、攻めの姿勢でいきたいなと思って出した曲なんです。まずはライブで聴いて踊って楽しんでもらえたらなって思います。

――この前のライブでも新曲とはいえ、かなり盛り上がっていましたよね。

MAMI そうなんですよ。嬉しいですね。

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最終更新:7/27(水) 18:58

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