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【ブラジル】外国での生活選ぶブラジル人 背景に自国の経済危機や治安

サンパウロ新聞 7月27日(水)0時30分配信

 ブラジルでの景気後退を受け、外国へ移り住むブラジル人が増えている。昨年は2500人が米国への移住ビザの発給を受けており、14年発給件数1605件から55%の増加となっているという。フォーリャ紙が17日付で報じている。

 英国では、昨年1月から9カ月間に、ブラジル人に対して945件の就労ビザが発給されており、06年以来、最高数となった。

 昨年の日本への入国ビザ(観光、ビジネス、就労ビザ全てを含む)発給件数も、世界金融危機の影響で多くのブラジル人が帰国した08年以前のレベルに戻っている。

 当時、ブラジル経済はマイナスの影響を感じるようになっていたが、10年には7・5%の急成長を示して力強く再浮上した。これにより、国外在住のブラジル人と外国人にとって、ブラジルは魅力的な国となった。雇用は不足せず、労働市場は高給を受け取る専門家達の獲得に躍起になっていた。レアル高と外国での経済危機が、他国との給与支払いの関係においてさらに競争力を高めていた。

 しかし、過度の公的支出と高インフレ、そして世界経済の弱さが組み合わさり、ブラジルは14年から深刻な景気後退に悩まされ、既に2年間継続している。

 エコノミスト達は、ブラジルの経済危機が底に近付いているというものの、歴史的な景気後退による影響は、長年にわたり継続する可能性がある。

 企業家のロドリゲス氏(52)は、経済的に安定していたスポーツ関連企業の株を70%売却し、09年に米国のマイアミ市に移住した。

 当時のブラジルの状況が、クルザード・プランの導入時と類似している事に不安を感じたといい、「1980年台のハイパーインフレで会社は潰れ、胃潰瘍になった。もうそんな経験はしたくなかった」と述べている。

 そして、資金を投じて不動産を購入し、AV機器販売の新規事業を立ち上げたという。

 リオの企業家シリロ氏(38)は、昨年初めに夫と3人の子供達を連れて米国フロリダ州のウェストンに移住した。シリロ氏は当時、経済危機とリオでの犯罪の増加を心配していたという。それが理由でブラジルを離れる事にしたといい、米国で、良い学校と安全を見つけたと安心している。

 「毎週ブラジル人の家族がここに引っ越してくる」と述べるシリロ氏は、現在もブラジルで自身の会社の経営を維持している。「もう帰る事は考えていない。ここは安心できるし、リオで経験していたような恐怖心や、いつまでも続く寝ずの番をするような生活に慣れることはないでしょう」と述べている。

サンパウロ新聞

最終更新:7月27日(水)0時30分

サンパウロ新聞