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議長声明なくARF閉幕…対北朝鮮制裁に亀裂の懸念

ハンギョレ新聞 7月27日(水)8時17分配信

南シナ海問題で険悪なムード 北朝鮮の核・THAADまで重なり複雑化 韓国代表団「声明の採択に数日かかる」 昨年も5日後に最終稿を発表 政府関係者「THAADに言及する確率は0%」

 ラオス・ビエンチャンで26日に開かれた第23回ASEAN地域フォーラム(ARF)外相会議が、会議の結果を盛り込んだ議長声明を発表しないまま終わった。オランダ・ハーグの国際仲裁裁判所(PCA)の判決(12日)以降、激しさを増している南シナ海の領有権問題に利害関係がある多くの加盟国の間で、見解の差が埋められなかったのが最も大きな原因だ。この会議の伝統的懸案である「朝鮮半島問題」(事実上の北朝鮮核問題)に加え、最近、韓国政府が在韓米軍に高高度防衛ミサイル(THAAD<サード>)を配備する決定を下したことをめぐる加盟国間の論議も影響を及ぼしたとされる。この会議は、北朝鮮が参加する域内唯一の多国間安保協議体であり、6カ国協議当事国(韓朝米中日ロ)がすべて参加していることから、伝統的に朝鮮半島問題が大きく取り上げられてきた。加盟国は27カ国に及ぶ。ARFの開幕前から、THAAD配備や南シナ海問題など、東アジア情勢の激動により、朴槿恵(パククネ)政権が力を注いできた対北朝鮮制裁の国際協力に亀裂が生じるだろう予想されていたが、まさにそれが現実になりつつある。

 韓国代表団のある関係者は26日、「議長声明の採択までは数日かかる可能性がある」と話した。他の関係者は「主な争点は南シナ海の領有権争い」と伝えた。マレーシアのクアラルンプールで昨年8月6日に開かれた第22回ASEN地域フォーラム当時も、5日後の8月11に議長声明の最終稿が発表された。政府関係者は「昨年には南シナ海問題と朝鮮半島問題が最終的な争点だった」と話した。今年は南シナ海の領有権をめぐり、以前にもまして激しく対立しており、さらに時間がかかるものとみられている。

 今月25日のASEAN(東南アジア諸国連合)外相会議の結果を盛り込んだ議長声明には、南シナ海紛争関連の国際仲裁裁判所の判決や中国の領有権に対する批判が明記されず、中国が「善戦」したというのが大方の評価だった。しかし、26日午後、ASEAN地域フォーラムに先立って開かれた東アジア首脳会議(EAS)外相会議では、米国がフィリピンや日本、オーストラリアなどとともに中国を批判し、険悪な雰囲気になったという。ユン・ビョンセ外交部長官は会議で「ASEANの南シナ海行動宣言(DOC)を支持し、平和的かつ創意的な方法で(紛争が)うまく解決されることを望む」と発言し、比較的に中立的なスタンスを示した。

 北朝鮮の核問題は今年初め、北朝鮮の4回目の核実験以降、国連安全保障理事会決議2270号の採択(3月2日)と移行という国際社会の公論が形成されており、例年に比べて大きく取り上げられるような事案ではなかった。しかし、最近になって南シナ海の両竜権をめぐる判決と在韓米軍へのTHAAD配備によって、米国と中国が鋭く対立している中、「流弾」に遭う可能性もあるものとみられていた。実際に、ジョン・ケリー米国務長官は、ラオスでの日程を終えた後、27日から南シナ海問題で中国を提訴したフィリピンを訪問する。「在韓米軍へのTHAAD配備」に対する反対に協力してきた中国やロシアなどは、今回のASEAN地域フォーラムの議長声明にTHAAD問題が盛り込まれるべきだという意見を出したという。 ただし、政府関係者は「議長声明の最終稿にTHAAD問題が言及される確率は0%に近い」と話した。これに先たち、中国とロシアは「朝鮮半島へのTHAAD配備が北東アジアの戦略均衡を損なう」という主張が盛り込まれた両国首脳の共同声明(6月25日)を国連に提出し、THAAD問題の「国際争点化」に乗り出した。ユン長官はASEAN地域フォーラム会議での冒頭発言で「北朝鮮の挑発による脅威がこれまでよりも厳重なものになっている」としたうえで、「悪循環を断ち切るために、国際社会の一致した警告の声を伝えよう」と呼びかけた。

ビエンチャン(ラオス)/イ・ジェフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:7月27日(水)8時17分

ハンギョレ新聞