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今だから知っておきたい 4月施行「障害者差別解消法」が目指す社会

THE PAGE 7/28(木) 14:32配信

 7月26日、神奈川県相模原市の知的障害者施設で19人の入所者が殺害される痛ましい事件が起こりました。逮捕された容疑者は、障害を持つ人に対する偏った思いを犯行動機に挙げています。
 
 実はこの4月から、障害を理由とした差別の解消推進を目的とした「障害者差別解消法」が施行されています。この新しい法律は、障害の有無で分け隔てられることなく、互いに人格と個性を尊重しながら共生する社会の実現を目指して制定されました。いったいどんな法律なのでしょうか。

「理由のない差別」を禁止 「合理的な配慮」を義務化

 「障害者差別解消法」は(1)障害を理由とした差別的な取り扱い、権利侵害の禁止、(2)社会的障壁を取り除くための「合理的な配慮」、(3)国が差別や権利侵害を防止するための啓発・知識を広めるための取り組みを行わなければならない、などと定めています。

 具体的には、「聴覚障害者が病院を受診する際に、筆談の時間が確保できない理由で診察拒否に合う」、「盲導犬を連れた人がレストランの入店を断られる」といった行為が、心身の機能障害、あるいは障害に関連したことを理由とした排除・制限となり、(1)の不当な「差別的取り扱い」にあたります。

 また「知的障害の人にるびをふったり、わかりやすい言葉で書いた資料を提供する」、「精神障害がある職員の勤務時間をラッシュ時の満員電車を利用しなくてよいよう変更する」といったサービスやルールの変更、「車椅子利用者のために建物入り口のスロープ設置」などの設備変更、「視覚障害の職員用のパソコンに音声読み上げソフトを導入する」補助器具の導入等が、(2)の「合理的な配慮」になります。

 法律の対象は、国の行政機関、地方公共団体、個人事業者を含む民間事業者です。例えば、同一の民間事業者が、繰り返し障害を理由とする差別を行い、自主的改善が期待できない場合、事業者の所管の大臣が、報告を求められるほか、助言・指導、勧告を行うことができます。虚偽の報告や報告を怠った場合罰則(20万円以下の過料)が課せられます。ただ「合理的配慮」については、民間事業者は「努力義務」にとどまっています。また、個人的な関係で障害のある人に接する場合は、対象になっていません。

 このほか、国と自治体に義務付けた差別解消の取り組みとして、相談窓口や紛争解決機関になる「障害者差別解消支援地域協議会」の設置を可能にしています。この協議会は地域の保健所、福祉事務所といった既成の機関のほか、各協議会が必要と考えた学識経験者やNPO法人なども構成員に盛り込むことが出来ることになっています。「制度の谷間」や「たらい回し」が起こることのない関係ネットワーク機関の構築を目指しているのです。

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最終更新:7/28(木) 14:32

THE PAGE