ここから本文です

【競泳】萩野の人間力を強くした右腕の骨折

東スポWeb 7月28日(木)10時0分配信

【水の怪物 萩野の原点(3)】リオ五輪に臨む競泳男子代表の萩野公介(21=東洋大)は昨年の右ヒジ骨折を乗り越え、五輪切符をつかんだ。かつての恩師は成長をどう見ているのか。

「競技者としての強さは間違いなく、心の成長ですよ。人間力です。自分に強くなった」。こう話すのは日本カイロプラクティックセンター佐野の茂木明男院長(49)だ。萩野が小学5年の時から治療に携わり、その後は専属コンディショナーとして従事。ロンドン五輪での銅メダル獲得をサポートした。

 高校時代はナーバスになることもあった。「頭のいい子なので考えちゃう。ちょっと(レース前に)ピリピリしちゃうんですよ」。担当の前田覚コーチ(44)に「うるせーな」と吐き捨てることもあった。ところが、五輪代表権がかかった4月の日本選手権、萩野はレースの合間に「調子いいです」とLINEを送ってきた。「4個メ(400メートル個人メドレー)の昼間に私とメールするぐらい余裕があった」。文面を通じ、あふれる自信が伝わってきたという。

 骨折時の対応も印象に残っている。「すみません、ケガしちゃいました。縁石でちょっとタイヤが…」。こう連絡を受けた茂木氏は萩野に言った。「オマエは日本の税金でトレーニングしている日本代表選手なんだから、みんなに説明をしなくちゃいけない」。右腕をつりながら記者会見を開き、過ちを認めた愛弟子の姿勢に目を細めた。

 また、茂木氏は昨年度に東洋大の保護者会「甫水会」会長として学内業務にも関わった縁で、大学での評判も聞いた。「スポーツ選手は強くなってくるとテングになったりする。でも、アイツは大学関係者に『授業休みます』『遠征行ってきます』と必ずあいさつをする。逆に職員のほうが“あのレベルになっているのに…”って驚いている。すごく成長している」

 スイムキャップやゴーグルを忘れて叱られた少年の面影はない。そんな茂木氏がリオで期待することはただ一つだ。「金メダル以外で彼は評価されない。ロンドンで取り損なった金メダル。絶対取って来い!」

最終更新:7月28日(木)12時16分

東スポWeb