ここから本文です

映画『ファインディング・ドリー』ハンク役を務めた上川隆也氏にインタビュー! ゲーム好き俳優の“マイ・ベスト・ゲーム”とは!?

ファミ通.com 7月28日(木)7時2分配信

●ハンクを担当するうえで、上川氏が意識したこととは?
 絶賛公開中のアニメーション映画『ファインディング・ドリー』。その日本語吹替版では、主人公のドリーの仲間であるタコのハンクに、俳優の上川隆也氏が声を当てている。本記事では、上川氏にインタビューを行い、ハンク役を演じることに決まった経緯や、キャラクターの見どころなど、さまざまな秘話をうかがった。さらに、ゲーム好きとして知られる氏に、ゲームにまつわるアレコレを直撃取材! 上川氏のファンはもちろん、『ファインディング・ドリー』が好きな方も必見だ。

――作中でも重要な役割を担う、タコのハンクを演じる声優に選ばれた際の経緯を教えてください。

上川隆也(以下、上川)まさか僕にそんなお話が来るとは夢にも思っていなかったので、最初お声掛けいただいたときは純粋に驚きました。とは言っても、最初から指名という形のオファーではなく、オーディション形式で決まるとのことだったので、この際やれるだけのことはやろうと思いました。

――オーディションを受けるまでに、どんな準備をされたのでしょう?

上川 大まかな内容は事前に聞かされていたのですが、ハンクというキャラクター自体の性格や役回りは、わかっていなかったんです。ですので、むしろハンクに対する演技はフレキシブルな感じでやろうと、イメージを固めずにいました。オーディションの際に演じたのは、初登場シーンとシロイルカのベイリーやジンベエザメのデスティニーといっしょにいるシーンを抜粋したもので、そのときは静かな雰囲気や、ちょっと怖ろしげな感じなど、いろいろな性格のパターンを試しながら演じてみました。その後、オーディションから少し日が経って、僕に決まったという連絡をもらいました。その知らせを聞いたときは、改めて非常にうれしかったです。

――正式に演じることになった後、監督からはどんな指示がありましたか?

上川 ハンクは、作中で雰囲気を変えていくキャラクターなので、その展開に合わせた演技を大事にしようと言われました。最初の得体の知れない雰囲気から、中盤の苛立った感情、後半は……と、その立ち位置も含めて変わっていく。登場したばかりのハンクは、ギャングっぽいイメージでと言われました。ただ、ハンクは言葉もさることながら、同時に目で語るタイプというか、目の動きでも大きく感情表現をするキャラクターなんです。芝居にもその影響は及びましたし、そのあたりにも注目しながら、楽しんでいただきたいです。

――収録にはどれくらいかかったのでしょう?

上川 期間で言うと、1ヵ月くらい回数は全部で5回ほど収録に臨みました。収録は個別で行われたのですが、後収録になるほど、ほかの方が担当されたキャラクターにも声が少しずつ入っていたりして、それは印象深かったです。直接、顔を合わせて仕事をしてはいないのだけれど、足並みが揃って完成に近づいているんだ、という実感を感じた覚えがあります。

●ハンクはなかなかクセの強いキャラクター!
――ハンクがどういうキャラクターか、読者に説明するとどんな感じですか?

上川 ひと言では説明しにくいのですが、ほかのキャラクター同様、彼もまた大きなコンプレックスを持っているんです。そんな彼が、ドリーの生きかたを見ているうちに、閉じていた心が徐々に開いていく……。そんなところが愛らしいと思います。ハンクが初めてドリーと会うシーンはなかなかに興味深いですね。ハンクは勝手に水槽を抜け出して、ドリーのもとに行くんですが、それができる時点で、じつは彼は自由なんです。気ままに過ごせる海に逃げることも、行きたい場所も選べるのに、なぜかそうはしない。この複雑な気持ちの動きにも注目していただけたらと思います。安住を求めているのに、妙なこだわりが捨てられない滑稽さというか、複雑な心情を抱えている。そんな彼の心の動きを想像するのも楽しいと思います。

――ハンクを演じたことに対する、手応えはありますか?

上川 手応え……これは難しい質問ですね(笑)。早くお客様の感想が聞きたいです。しかし、タコという、これまでにない役を演じたのは新鮮でしたが、彼もひとつの人格ですし、いままで演じてきた役と同じように、全力で演じました。それと、今作は対象年齢の広い作品なので、どなたでも聞きやすいような演技や発音には、心がけていました。

――ちなみに上川さんご自身がハンクと同じ立場なら、海に出て冒険するか、保護された水槽で暮らすか、どちらを選びます?

上川 僕がハンクの立場なら……。どちらか片方は選ばなさそうです。彼の能力ならそれができる。基本は水槽で暮らしながら、たまに海に出るみたいな、イイトコどりの生活をしたいですね(笑)。

●『ファインディング・ドリー』への、上川氏の強い思い入れ
――完成された映画はもうご覧になられましたか? また、前作も鑑賞されていたのでしょうか?

上川 はい、拝見しました。もう、純粋に“一観客”として楽しんでいました(笑)。本当に素敵な物語だと思います。それと、これは前作もそうですが、キャラクター以外のCG、たとえば回想や水面からの光などの背景も、リアルで美しいと思いましたね。CGなのに、そう感じない、何気なくそこに存在する背景。それがとても自然でリアル。ひとつひとつの何気ない表現に目を奪われるような、この技術の高さが、さすがはピクサーさんの作品だと感じました。すごいです。すごいと言えば、デスティニーを演じた中村アンさんの演技にも感銘を受けました。かわいらしくて明るくて、でもちょっとドジなところもあって(笑)。いろいろなキャラクターの魅力も詰まった作品だと思います。

――最後に、これから観る人にメッセージをお願いします。

上川 前作を好きな方はもちろん、今作で初めてご覧になる方にもオススメの映画です。私的な意見としては、前作と今作は見事につながっていますので、『ファインディング・ニモ』をもう一度見てから今作をご覧になると、さらにおもしろく感じられると思います。より進化した映像表現の比較もできて、きっと何倍も楽しめますよ。とにかくこのシリーズは、老若男女を問わない、万人が楽しめる作品です。『ファインディング・ニモ』をはるかに上回る、見どころ満載の冒険と感動がたっぷり描かれていますので、きっとどなたでも惹き込まれるはずです。クオリティーは保証されたピクサーブランドですから、安心して楽しんでいただけますよ(笑)。この夏、ぜひご家族皆さんで、彼らの冒険を楽しんでください。

(C)2016 Disney/Pixar.

●上川隆也氏のゲーム人生に迫る!
――上川さんはゲームがお好きだとうかがったのですが、ゲームを好きになられたきっかけは……?

上川 明確にこれがきっかけと言えるものはないんです。昔からいわゆる“オタク”でしたから、僕が17~18歳のとき、ファミコンが発売されたころから何の抵抗もなく受け入れて楽しんでいました。ホビーのひとつにゲームはいつもあったんです。ゲームという文化が急速に花開いたころだったので、それを受け入れるのに何の抵抗もなかったんですね。だんだん遊ぶゲームが増えて、PCエンジンやセガサターン、プレイステーションなどなど、あれよあれよという間に熱中していきました(笑)

――ファミコン世代ならではの“あるある”ですね(笑)。それでは、最近ハマっている作品がありましたら教えてください。

上川 『アンチャーテッド』シリーズはどれも好きで、この作品は全作遊んでいます。また、これは数年前ですが『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』にも感銘を覚えました。ノーティードッグさんはハズレがないですね!

――好きになる作品の系統というか、ゲームのこういう部分が好きというポイントは?

上川 昔から一貫してそうなのですが、反射神経で解いていくようなゲームはちょっと苦手です。どちらかというと、じっくりと腰を据えて臨める作品が、おもしろいと感じます。

――なるほど。ちなみに、これまで遊んだ作品の中で、いちばん好きなゲームは何ですか?

上川 難しい質問ですね……。ただ、忘れられない作品と言うと、『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』です。遊ばれた方は皆さん口を揃えておっしゃるでしょうけど、最後の“ロンダルキアへの洞窟”が激ムズで(笑)。でも、それを超えてエンディングを迎えたときの、胸打たれた感じはどうにも忘れられずにいます。

――最後に、今後発売されるタイトルや、ゲーム業界に期待されていることはありますか?

上川 『人喰いの大鷲トリコ』の発売を楽しみにしています。VRで楽しめるゲームの可能性にも期待していますし、ゲームがさらに楽しめるようになればと思っています。

――本日はありがとうございました! (……と、インタビュー後、挨拶を終えて帰路に着こうとした我々を、つぎの取材のスタンバイをしていた上川氏が呼び止めて……)

上川 (遠くの位置から)ファミ通さん! いちばん好きなゲームの答え、思い出しました。僕がいちばん好きな作品は『ICO』です。

――遠くからありがとうございます、しっかり書いておきます!!

最終更新:7月28日(木)7時2分

ファミ通.com