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中国人が日本製よりも韓国の化粧品を選ぶ理由

ZUU online 7/28(木) 11:10配信

日本で爆買いをする中国人観光客の姿を見ると、日本製品を好んで使っているように見えるが、本国ではとりわけ化粧品において、少し事情が変わってきているようだ。

世界の華僑を対象にニュースを配信する「星島環球網」は、中国市場で韓国の化粧品が徐々に、日本の化粧品に取って代わっている動きを伝えている。1980年代から2010年ごろまでは日本メーカーの商品が、圧倒的な人気を誇っていたが、2010年前後を境に「K-BEAUTY」と呼ばれる韓国流の美容法が流行するようになり、日本からその座を奪い取っているという。

■株価も輸出量も右肩上がりの韓国コスメ

経済低迷が伝えられる韓国で、化粧品メーカーの株には勢いがある。

Wall Street Journalによれば、韓国2大化粧品メーカーであるアモーレパシフィックとLGハウスホールドの時価総額は、2014年1月から約2年半の間に大幅に増加した。アモーレパシフィックは4倍以上に、LGハウスホールドは2倍以上になっている。

背景にあるのは、中国の存在だ。「時尚頭条網」の報道によると、韓流の浸透や韓国を訪れる中国人の急増で、韓国の美容とファッションへの需要量も急増しているという。2015年の韓国製化粧品の中国への輸出量は前年の2.5倍にまで増え、中国の輸入化粧品全体の約4分の1を占めたというデータもある。

■ドラマ人気と相乗効果、マーケティングに人気芸能人起用

韓国製化粧品の中国での人気上昇は韓国からの文化的影響もあるという。韓国の人気タレントやテレビドラマの中国市場への影響力が拡大しつつあることが、韓国の化粧品ブランドが中国市場で急成長している大きな要因だと、米マーケティング調査会社 L2は最新研究で分析している。

たとえば、アモーレパシフィックはドラマ・芸能人とのタイアップに成功している。同社の20-30代の女性向けブランドであるラネージュは、イメージキャラクターにタレントのソン・ヘギョを採用し、各種PRイベントを展開している。ソン・ヘギョが主演するテレビドラマ『太陽の末裔』は、中国市場での流行をリードする形となり、ラネージュブランドの口紅などが大きく需要を伸ばしているという。

同社の済州島の自然素材を売りにしたブランドであるイニスフリーも、2015年に投入した人気タレントのイ・ミンホと少女時代のユナが共演した、『Summer Love』の広告が成功するなど、中国市場で最も人気のある韓国化粧品ブランドとして、定着することに成功した。

■コスメのみならず、テレビも韓国に染まる中国

中華圏の有力誌である亜州週間によると、中国での韓流ブームは化粧品にはとどまらない。エンタメ界でも、韓国バラエティー番組の構成はそのままに、中国の芸能人を用いた番組が大流行しているという。こうした番組はすでに約20本放送されている。国営放送として、政治的宣伝の色合いが強い中国中央テレビまでもが、大々的な番組宣伝に乗り出しているほどだという。

韓国の放送局とプロダクションは、投資されるチャイナマネーの規模に影響され、中国一辺倒になっているのが実情だ。ただ、このような「共生関係」が、いつまで続くのかは不透明だ。中国政府が本気になれば、いつでも市場を制御できる中国で、当面の利益だけを見て動く韓流の現実は、資金の引き上げなど中国から強風が吹けば、どうなるかわからない。

■旅行先としては敬遠される理由はボッタクリ商法?

中国『人民日報』のニュースサイト「人民網」は、2016年の春節連休の海外旅行人気ベスト3はタイ、日本、韓国の順だったと報じている。2015年は韓国が2位だったのだが、中国人観光客に対する、さまざまな違法行為が韓国へのリピート率を下げているのだという。

実際のところ韓国警察庁の発表によると、春節連休中にニセ物の販売、未登録の宿泊施設の運営、悪質なタクシーサービスなどの違法行為は、2015年と比べると3倍近い414件に上った。さらに、旅行先として韓国が不人気になっているのは、観光スポットが限られていることにも原因がある。韓国の観光地はソウルと済州島ぐらいしか、めぼしいところがないというわけだ。

■効能で戦うか、パッケージで戦うか、その実力はいかに

現在、中国で韓国コスメが流行しているのは確かな一方で、決して無視できないリスクが含まれていることは見逃せない。確かに韓流の「文化輸出」が韓国化粧品産業に好影響もたらしている。だが、使用効果を高めるために、究極まで成分配合を追及してきた日本の化粧品と比較すると、韓国の化粧品は包装などの消費者心理ばかりに、重きを置いてきたとの評価もある。

すでに化粧品の研究は成熟期を迎えており、効能面で大きな差異を主張するのは難しくなっている。そのため流行を追若者に走らざるを得なくなっているのだろう。韓国コスメが掲げるオーガニックやナチュラルといったキーワードが、中国の消費者に刺さるという事実も指摘されている。

ただ同時に、マーケティング手法に頼っているのは、韓国化粧品の脆弱性を示しているのも事実だ。中国がノウハウを自分のものにしてしまった後にも、強みを保ち続けられるのかどうか。(ZUU online編集部)

最終更新:7/28(木) 11:10

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