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TVでの活躍が目立つ“ミュージカル俳優”、その需要拡大のワケ

オリコン 7月29日(金)8時40分配信

 ユニット「StarS」としても活動する山崎育三郎、井上芳雄、浦井健治、さらに『真田丸』で注目を集めた新納(にいろ)慎也など、ドラマやバラエティ番組などでイケメンのミュージカル俳優の活躍が目立っている。例えば、山崎は『下町ロケット』(TBS系)で佃製作所を裏切りながらも後に心臓の人工弁の製作を依頼する技術者・真野賢作役として爪跡を残し、新納は『真田丸』(NHK総合)で秀吉のおい・豊臣秀次を演じたが、理不尽にも切腹を命じられると、“秀次ロス”なる言葉を生むなど、準主役、わき役としての需要が増えているのだ。なぜ今、ミュージカル俳優が重宝されているのだろうか。

【写真】山崎育三郎、12月からの舞台ではドラァグクィーンに

■芝居・ダンス・歌をこなすミュージカル俳優ならではの存在感

 現在、ドラマやバラエティで引っ張りだことなっているミュージカル俳優と言えば、まずは山崎の名前が挙げられるだろう。山崎は12歳で初めて舞台に立って以来、『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』『嵐が丘』といった大作舞台やミュージカルに出演してきた。ミュージカル界で根強いファンを獲得していくなかで、音大で培った歌唱力を活かしてCDデビューを果たし、先述の井上、浦井とユニット・StarSを結成し、CD発売や東京・日本武道館でコンサートを開催するまでになっている。その一方で、『下町ロケット』をきっかけに、『グッドパートナー 無敵の弁護士』(テレビ朝日系)でチャラい弁護士を演じたり、バラエティ番組でそのキャラクターが注目されるなど、テレビ界にも進出し、ここ1年ほどで飛躍的に知名度を上げた。

「ミュージカル俳優だけあって、山崎さんは映像分野で活躍する俳優とはまた違った表現力の幅広さを持っています。甘いマスクの持ち主ながら、『下町ロケット』では口ヒゲを生やし、ちょっと悪そうな雰囲気を見せて会社を裏切ってしまうのですが、その裏では苦悩も見せ、後半の“ガウディ計画編”では医科大学の助手として佃製作所を頼るという難しい役どころでしたが、抜群の演技力で見事に演じ切りました。その後の『お義父さんと呼ばせて』(フジテレビ系)では意中の女性に猛アタックをするものの空回りしてしまうというコミカルな役どころ、『グッドパートナー』で熱血の“正義の男”に。主役ではないですが、毎回、確かな印象を残しています」(ドラマ制作会社スタッフ)

 今年5月のORICON STYLEのインタビューで、山崎は「ミュージカル俳優って、お芝居・ダンス・歌という3つの要素を全部できなきゃいけないので、ずっと同じだけエネルギーを使ってやってきたんですけど、それにプラスして、おしゃべりをする機会もすごく多いんです」「バラエティでの振る舞いも、これまでと同じことをやっているという感覚」と話していたが、2番手、3番手でも醸し出すドラマなどでの存在感、バラエティならでの立ち居振る舞いは、ミュージカル俳優ならではの事情がある。

■確かな実力がありながら“色”がない使い勝手の良さ

 新納も、近年のTVドラマ出演は『真田丸』のみだが、“秀次、アホかわいい”とネット上で言われるような明るく脳天気な秀次像を見せるも、最後は自害、という悲惨な結末で、その演技力の幅が存分に活かされていた。目鼻立ちがハッキリした西洋系のルックスで、典型的な“ミュージカル顔”の新納だが、現在41歳で芸歴は25年と長く、過去にはNHK BS-2の『にこにこぷんがやってきた』に“うたのおにいさん”で出演していたという異色の経歴を持つ。ミュージカル界で花開いた才能が、ようやく幅広い層へと知られるところとなったわけだ。

「ミュージカルというと、『いきなり満面の笑顔で歌を歌いだす』というイメージもあり、確かに個性豊かな方が多いのですが、むしろテレビに出るまでは“色がついていない”ので、ドラマやバラエティ番組で使い勝手は良いんです。新納さんにしろ、山崎さんにしろ、ハイテンションから抑えた演技までこなすふり幅の広さがあるので、どんな役でも安心して任せられますし、その役のなかでご自身の個性を発揮してくれるんですよ」(前出・スタッフ)

 演技も歌も確かな実力を持っていながらも、それほどクセがなくテレビで力を発揮できるとなれば、ミュージカル俳優たちがテレビ業界で重宝されるというのは当然のことかもしれない。さらにミュージカルの世界は、それなりの“固定客”もいるし、これまでの視聴者とまた違った層を取り込める可能性もある。今後、ミュージカルからテレビの世界に進出したり、ミュージカル分野で認められてドラマなどにカムバックするなど、ボーダーレスに行き来するイケメンのミュージカル俳優は、さらに増えていくかもしれない。

最終更新:7月29日(金)8時40分

オリコン

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。