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「残業代は1時間400円」「休みは月1日」外国人技能実習生のブラック労働環境

弁護士ドットコム 7月28日(木)19時57分配信

全労連は7月28日、東京・霞が関の厚労省記者クラブで会見を開き、外国人技能実習生の過酷な労働実態の象徴例として、岐阜県の事例を報告した。岐阜県には8000人を超える外国人実習生がおり、受け入れ数は全国3位。ある縫製会社では、休みが月に1日しかなく、時給400円で月100時間以上の時間外労働をさせるなどの違法労働をさせていた。岐阜労連には、直近の1カ月だけで、ほかに2社の外国人実習生たちから同様の相談があったという。

実習生制度をめぐっては、2010年に入管法が改正され、外国人実習生は入国1年目から労働基準法上の労働者として扱われるようになった。以来、数は減ったものの、依然として違法労働が残っているという。全労連によると、日本人労働者のなり手が少ない縫製業や建設業で問題が多いそうだ。

違法でなくても、最低賃金で働かされることが多く、労働環境の悪さなどから失踪する外国人実習生もいる。2015年は過去最多の5803人が失踪し、社会問題になっている。全労連の伊藤圭一雇用・労働法政局長は、「実習の趣旨を考えれば、本来受け入れ企業は相当の余力がないとできないはず。しかし、現実は(経営の苦しい企業が)低賃金労働者として人を入れている実態が蔓延している」と語った。

●一企業のモラルというより、業界全体の問題

全労連によると、全国的には違法労働は減っているものの、岐阜県では1時間当たりの残業代が300~400円の事業所が少なくないという。特に約3000人が従事する縫製業で問題が多いそうだ。

実際、岐阜労基署が2015年4月~12月に、外国人実習生を受け入れている83事業所を調べたところ、24事業所が最低賃金法に違反していた。縫製業に限ると、38事業所中19事業所で最低賃金法違反、21事業所で割増賃金の違反があった。担当者によると、「裏帳簿などを作られると、内部情報でもない限り追及できない」といい、実際にはさらに多くの企業で違法労働が行われているとみられる。

全労連によると、縫製業で外国人実習生の違法労働が多い理由は、一企業のモラルというより、業界の構造的な問題が大きいという。アパレルメーカーは途上国で作られた安価な衣料品との価格競争に勝つため、国内工場への発注価格を抑えたがる。結果として、縫製業者は外国人実習生を安価な労働力として使わざるを得ないのだという。日本人が寄り付かないため、本来の趣旨である教育効果も望みづらい。

政府は現在約15万人いる外国人実習生を増やす方針で、秋の臨時国会では介護分野でも外国人実習生を受け入れられるよう、法改正が検討される予定だ。これに対し、全労連は制度を根本的に見直さなければ、被害が拡大すると警鐘を鳴らしている。

弁護士ドットコムニュース編集部

最終更新:7月28日(木)20時6分

弁護士ドットコム

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