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有機ELの投資過熱も、2―3年はサムスン優位変わらず

ニュースイッチ 7月28日(木)7時30分配信

18年までに導入される生産設備のうち半分がアップル向けか

 最近、スマートフォン向けを中心に有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)ディスプレーへの投資が過熱している。その要因はいくつかある。先行する韓国サムスンディスプレーが有機ELディスプレーの外販を始めたことと、米アップルが2017年に発売する新製品に有機ELを採用するとの観測が広まったことが主因だ。また中国を中心に需要が高まっていることや、中国が集中的に投資していること、フレキシブルディスプレーの実用化の加速も挙げられる。

 現在の主なプレーヤーはサムスン、韓国LGディスプレー、ソニー、台湾AUO、中国エバーディスプレーだ。このほか中国ではBOEや天馬微電子も投資を決定し参入する。日本では試作ラインへの投資を決めたジャパンディスプレイや、シャープが量産投資に動く可能性がある。

生産能力、20年に13億台

 有機EL市場のけん引役はスマホだ。各社の投資により、20年までに生産能力が現状の約2・5倍となり、13億台規模の生産が可能になると推測される。一見、供給過剰感が漂うが、おそらく妥当な数字ではないかと予想している。

 その理由の一つは歩留まりが不透明な点だ。生産能力イコール出荷量とはならないだろう。さらに18年までに導入される生産設備のうち、半分がアップル向けと見られる。成長は鈍化したものの、まだスマホ市場は伸びる。

 また中国では自国内での消費がメーンとなり、非アップル向けでは供給過剰感は少ない。有機EL搭載スマホの比率も増え、20年には36%以上になると見ている。20年ごろには供給が需要を作る側面もあるだろう。

 各社が台頭する中、競争軸は何になるのか。先行するサムスンは多数の特許を持っている。2―3年はサムスンが優位な状況は変わらないだろう。この技術的な優位性をどう切り崩すかがポイントになる。

 差別化要素の一つになるのが、フレキシブル性能だ。フレキシブル有機ELはノウハウが重要となり、液晶のように装置さえ導入すれば生産できるものではない。技術的に難しく、新興メーカーの中国勢は実用化までに時間がかかりそうだ。今後、有機ELもコモディティー化が進むと想定されるが、こうした差別化が勝敗を分けるカギになる。

田村喜男(IHSテクノロジーシニアディレクター)

最終更新:7月28日(木)7時30分

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