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日銀、追加緩和決定 黒田総裁会見(全文2)マイナス金利深堀りの余地ある

THE PAGE 7月29日(金)20時55分配信 (有料記事)

なぜマイナス金利の深掘り、量の拡大しなかったのか

日本経済新聞:日経新聞のイシカワと申します。2点、お伺いしたいことがあります。今回、ETFの買い増しということをされたんですけれども、なぜマイナス金利の深掘り、あるいは量の拡大をされなかったのか。それらの政策が限界に近づいているということではないのか。その点についてお聞きしたいというのが1点目です。

 もう1点が、その質問を踏まえてということではあるんですけれども、総括を次回やるとおっしゃっています。なぜこのタイミングなのかという唐突な感じもしますけれども、そこでこれまでやってきた政策のスキームチェンジみたいなことを考えていらっしゃるのか。

黒田:ん?

日本経済新聞:スキームチェンジみたいなものですね。ものまで考えていらっしゃるのか。なぜこのタイミングでそういうことをやろうとされているのか、お考えをいただければと思います。

黒田:まずマイナス金利、あるいは量的な拡大に限界がきているのではないかという点については、そういった限界にきているというふうには考えておりません。まず、マイナス金利につきましては本年の1月に導入を決定して以来、このマイナス金利というものが市場に受け入れられて、マーケットとしてもうまく機能するようになっておりますので、この金利の引き下げ効果というものは非常に大きいものがありまして、すでに金融・資本市場だけでなく実体経済にもプラスの影響を及ぼしつつあるというふうに思っております。先ほど申し上げたように、これについて何か限界がきているというふうには考えておりません。欧州の状況などを見ていただいても、まだまだマイナス金利をさらに深掘りしていく余地はありうるというふうに思っております。

 量的なものにつきましても、年間80兆円に相当する額だけ国債保有額を拡大していくっていうことを通じて、おそらく国債の3分の1ぐらいをすでに取得してると思いますけども、逆に言いますとまだ3分の2が市場にあるということでありまして、今、何か量的な限界にきているというふうにはまったく思っておりません。現に日本銀行による国債の買い入れにつきまして、なんらかの障害が出るということはまったく起こっておりません。そういう意味でマイナス金利にしても量的緩和の拡大にしても、限界にきてるとはまったく思っておりません。

むしろ先ほど申し上げたように、あるいは公表文にも書いてありますとおり、今、英国のEU離脱問題、あるいは新興国経済の減速を背景にして、海外経済の不透明感が高まり、国際金融市場で不安定な動きが続いているわけでして、こうした不確実性が企業や家計のコンフィデンスの悪化につながるということを防止するとともに、わが国の企業および金融機関の外貨資金調達環境の安定に万全を期して前向きな経済活動をサポートする観点から今回のようなETFの買い入れ額のほぼ倍増、あるいは企業・金融機関の外貨資金調達環境の安定のための措置を導入したわけであります。これが現時点でもっとも有効な、適切な政策であるというふうに考えております。

 展望レポートでもご覧になってお分かりいただけるように、また先ほどの最初の説明でも申し上げたとおり、経済成長率につきましては足元、それから特に2017年度の成長率については、経済対策等の効果もあってかなり上振れしてるわけです。それから物価についても足元は予想よりも低下してますけども、今、申し上げたような成長率の上振れ、その他によりまして、2017年度、18年度の物価の見通しというものは従来と変わっておりません。そうした中で、もっとも適切な金融緩和の評価策というものを採用したというふうにご理解いただきたいと思いまして、マイナス金利あるいは量的緩和に限界がきたということはまったくないというふうに考えております。

 それから総括の点につきましても、これも公表文で示したとおり海外経済、国際金融市場をめぐる不透明感などを背景に、特にこの物価見通しに関する不確実性が高まっていると。こうした状況を踏まえて、2%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現する観点から、次回の金融政策決定会合において、この3年強の間のいろんな金融緩和の下での経済・物価の動向あるいは政策効果について総括的な検証を行う、ということにしたわけであります。

 もちろんスタッフは常に、こういったことについては分析をしておるわけでございますけども、量的・質的金融緩和を導入して3年強、そしてマイナス金利を導入して以来、半年、1月に決定して実際に適用されたのは3月からですから、半年ぐらいというところで、総括的な検証を政策委員会において行おうということでありました。これは政策委員会のメンバーの全てのメンバーが、こういったことが望ましいということを言われまして、具体的な形でこの公表文に示したということであります。

 具体的に、総括的な検証を行ったのちの金融政策はどうかということについては、それは総括的な検証を行った上でのことでありますけれども、明確なことは2%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するために何が必要かという観点から、総括的な検証を行うということはいえると思います。

日本経済新聞:分かりました。

テレビ朝日:テレビ朝日のマツモトといいます。2点、お伺いいたします。総裁はかねて金融政策の効果が発揮するのに、半年も1年もかからないという発言をされていましたが、おっしゃったようにマイナス金利の導入から半年が経とうとしています。現時点でこの効果について具体的にどういうことを感じていらっしゃるのか、教えてください。

 もう1点が今回、声明文の中に入りました総括的に検証するということですけれども、検証した結果、今のような規模で買い入れを進めることが例えばそれほど効果がない、むしろ副作用のほうが大きいんではないか、のような議論が起きた場合などに、今よりも規模を縮小するであるとか、そういった方向性も可能性としてはあるのか。そこを教えてください。本文:16,867文字 この記事の続きをお読みいただくには、THE PAGE プラスの購入が必要です。

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最終更新:7月29日(金)20時55分

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