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不動産投資で気を付けるべき、長期修繕計画の落とし穴

ZUU online 7/29(金) 6:10配信

マンションやアパートなどの不動産は、竣工時期が一緒でも、その後の管理の良し悪しで、物件の価値は大きく異なってしまいます。建物一棟を所有するオーナーにとって、建物の劣化具合は気になるところです。中長期の視点で投資案件を見ているのなら、20年、30年の長期にわたる修繕計画について理解を深めていくのは当然のリスク対策です。今回はこの「長期修繕計画」について解説します。

■経年劣化の建物は、補修や工事で維持・管理

長期修繕計画は、新築時に、計画期間30年程度で行うのが一般的です。建物は築年数が経つと劣化が進みますが、外壁の補修や屋上の防水工事、建物診断などを定期的に行うことで、維持・管理の効率を上げていくのです。

ただ、計画はあくまでも計画なので、実施する修繕工事の内容や時期、費用などを確定するものではなく、一定期間ごとに計画を見直していくことを前提としています。見直しにより修繕積立金が軽減される可能性もありますが、逆に想定外の修繕などにより積立金を値上げしなければならない事態も考えられます。「物件が古くなって、賃料値下げを検討していたところだったのに…」と嘆くことのないよう、備えておきたいものです。

■修繕工事の頻度と費用

マンションやアパートでは、使われている建材や設備によって耐用年数が決まっており、これに伴って修繕工事の周期があらかじめ決められます。修繕工事は次のような周期で行われるのが一般的です。
● 屋根・屋上の防水 10年~15年毎 
● 外壁の補修・塗替 10年~15年毎
● シーリングの打替 10年~12年毎

費用の目安も業者によって違いますが、屋上防水の補修工事で1平方メートル当たり8,000円~1万2,000円、外壁補修工事で1平方メートル当たり1,000円~3万円。さらに15~20年毎に取り替える受水槽は500万~800万円などと費用がかさみます。

大型設備の場合は、例えば次のような周期です。
● エレベーター取替 30年~35年毎
● 機械式駐車場取替 15年~20年毎

その工事はさらに大がかりなものとなり、エレベーターはざっと1基当たり1,000万~3,000万円、機械式駐車場は、1台当たり100万~150万円と想定されます。

物件を長く所有するならば、オーナーは30年と長期で出費を考え、30年の間に、2~3回は大規模な修繕を行うことを覚悟しなければなりません。

しかも、どれだけ綿密に計画されたとしても、マンションが建つ環境や劣化の速度、材料費の価格変動などで予定通りにいかないこともあります。このため、分譲マンションなどは長期修繕計画を、5年毎に見直すなどの対応をしています。

■修繕積立金の目安はどのくらい?

分譲マンションの場合区分所有者は将来予想される修繕工事に掛かる費用を、修繕積立金として計画的に積み立てていくことが求められます。これは管理費とは別に管理組合が、区分所有者から徴収するものです。一方、建物一棟を所有するオーナーの場合、これに当たる金額を自身でプールしておかねばなりません。

では、オーナーが大規模修繕費用として積み立てる金額の目安はどれくらいでしょうか。

一般には、建物価格の0.5%~1%を毎年積み立てる必要があると言われています。5,000万円の一棟マンションであれば、25万円から50万円を毎年積み立てていく計算です。

アパートの修繕費用はマンションよりも比較的安くつきますが、月に1戸あたり1,000~3,000円程度は考えていた方が良いといわれます。また、外壁がはげ落ちているような場合は劣化がより目立ち、放置しておくと修繕費用以上の大きな損失を招きかねないため注意が必要です。

■工事の注意点は、居住者配慮

こうした修繕工事に関して、オーナー側では意外に気がつかない点があります。それは、メンテナンスの施工自体が入居者に不便を強い、建物やオーナーへの評判を悪くする可能性もあることです。

例えば、アパートなどで最も修繕の機会が多い「塗装」は、雪が積もるような地域を除き、基本的に1年中施工できます。しかし塗装を行う時期を含め、施主にはさまざまな配慮が必要です。子どもたちが在宅である可能性が高い夏休みや冬休みは、現場周辺での両事故や資材置き場での事故といった危険の増加を防ぐためにも避けたほうが無難です。逆に、給水管、排水管の更新工事などで問題になるのは「不在住戸」です。不在住戸が多いと作業効率が悪くコスト高の一因ですので、在宅確率が低い時期などを予想して避けましょう。

また、工事の際に大きな騒音が出る場合や、溶剤系塗料を使用する場合のシンナー臭などは、乳幼児、病人などがいる場合に特段の配慮が必要です。トラブルを未然に防ぐこともリスク管理の一つでしょう。

■メンテナンスには2つの考え方あり

大規模修繕には、「最低限、建物を維持するための修繕」と「物件の価値を高めるための修繕」の2つがあります。

不動産投資という視点において後者は特に重要で、建物のメンテナンスを行うか行わないかによって、外観はもちろん耐久性や空室リスクに影響が出てくるのです。

物件や設備の老朽化は競合物件に対する不利であり、空室率の上昇にもつながります。内装や間取りも、時代の趨勢から取り残されるようなものでは、若い入居者の心をつかめません。その場合は当然、リフォームも考えねばならないでしょう。どちらも一時的に大きな費用が掛かるもので、そのために積立金を用意しておく必要があるわけです。

投資物件の購入時も物件を購入してすぐに大規模修繕ということがないよう、「物件の修繕履歴」「修繕積立金の残高」はしっかり確認しましょう。そして、物件の老朽化が目立つなど修繕がすぐに必要な場合などは、価格交渉でその費用分をうまく利用することも考えたいものです。 (提供:不動産投資ジャーナル)

最終更新:7/29(金) 6:10

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