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書店はなくなってしまうの? 最大の脅威はやっぱりアマゾン

THE PAGE 7/31(日) 12:26配信

 このところ出版流通業界の再編が加速しています。開業当時、日本最大の書店といわれた東京駅八重洲口にある八重洲ブックセンターが、出版取次大手トーハンの傘下に入りました。また新宿南口の大型書店であった紀伊国屋書店新宿南店も洋書を除きフロアを大幅に縮小することが決まっています(8月7日の予定)。街から本屋さんはなくなってしまうのでしょうか。

 八重洲ブックセンターは、鹿島建設オーナーで、本の愛好家としても知られた鹿島守之助氏が、理想の書店を実現するために設立した会社です(守之助氏は1977年の開業を見届けることなく1975年に亡くなりました)。同社の店舗は鹿島の本社跡地であり、しかも自社ビルです。このため150万冊という膨大な数の書籍を揃えることが可能であり、日本における書店の概念を一変させるほどのインパクトをもたらしました。

 しかし、最近は出版不況が続いていることから業績が低迷していました。八重洲で再開発の動きが活発化していることもあり、鹿島の手を離れ、トーハンの傘下入りが決まったようです。

 出版は究極的な多品種少量生産の産業であり、その流通形態は独特です。一般的な業種の卸に相当する取次と呼ばれる会社が、返品可能という形で出版社と書店との間を取り持ちます(委託販売制度)。返品に対応することで、全国津々浦々の小さな書店まで本を流通させることができるようになり、どこでも本が読めるという環境が実現しました。こうしたシステムは高度成長期にはうまく機能しましたが、出版市場はピークだった1996年を境にマイナスに転じ、すでに4割も縮小しています。ネットや電子書籍が普及してきたことで、こうした独特の流通慣行はむしろ業界の足かせとなっています。

 出版業界の中では取次は規模が大きく、経営不振になった書店を買収できるのは取次しかありません。トーハンはすでにブックファーストも子会社化していますから、卸と小売を兼ねる存在となりつつあります。

 既存の書店や取次にとって最大の脅威となっているのはアマゾンですが、同社は8月にも電子書籍のキンドルを使った定額読み放題サービスに参入すると噂されています。月額1000円前後で書籍が読み放題(先行して始まった米国では100万冊が読み放題の対象となっている)ということになると、書店にとってはさらに打撃でしょう。

 手にとって読むという文化が消滅することはないと思われますが、リアルな店舗がデジタルに押される傾向は当分の間、続きそうです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:7/31(日) 12:26

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