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サンタンデール銀行 3%キャッシュバックで顧客もバック?

ZUU online 7/29(金) 7:10配信

あの手この手で顧客獲得に挑戦する銀行。今度はスペインのサンタンデール銀行が、「金利ゼロ、最高3%キャッシュバック」の普通口座サービスを開始した。

公共料金の引き落としに利用するたび、電気やガス料金なら2%、携帯電話やインターネット受信料金なら3%、住民税は1%が口座にバックされるという、顧客にとっては嬉しい特典がウリだ。

しかし同類の商品が溢れ返っており、消費者は若干飽食気味との指摘もある。銀行はまったく新しい切り口から、顧客獲得を狙う時期にさしかかっているのかも知れない。

■キャッシュバック口座は本当にお得?

サンタンデールのキャッシュバック口座は、「123lite」という商品名で、同じくキャッシュバックと高金利で新規申し込みが殺到した普通口座、「123」の新バージョンだ。

123の年会費は5ポンド(約710円)だが、liteはわずか1ポンド(約142円)。サンタンデール銀行の住宅ローン、あるいは住宅所有者保険の支払いにもキャッシュバックが適用されるほか、小売店での支払い還元率は最高15%となれば、利用しない手はないだろう。

毎月500ポンド(約7万1048円)以上の入金、2件以上の料金引き落とし、3カ月に一度以上のオンライン、またはモバイルバンキングの利用者であれば、誰でもliteを開設可能だ。
liteは顧客の急速な123離れを食い止める手段として、新たにサンタンデール銀行が打ちだした商品だ。

3%キャッシュバックと高金利で、昨年第3四半期には5万人を超える新顧客を獲得した123だが、第4四半期には3592人まで一気に減少。

今年1月に月会費が2ポンドから5ポンド(約284円から710円)に引きあげられてからは、人気にさらに陰りがさしている。

そもそも最高金利は預金高が3000ポンドから2万ポンド(約42万6288円から284万1922円)の口座にしか適用されないため、少額預金者にとってはそれほど魅力的なわけではない。むしろほかの銀行のサービスを利用した方が、得する場合が多いようだ。

銀行間で顧客争奪戦が繰り広げられている中、サンタンデール銀行はliteを発売することで、「金利ではなくキャッシュバック目当て」の少額預金者を、何とか呼び戻そうと目論んでいるが、その勝敗やいかに。

■銀行は短期戦略より長期的な信頼関係を築くべき

キャッシュバックが金利と同じくらい、顧客を獲得、維持する常套手段として定着した近年、各銀行がこぞって様々な商品を発売している。

例えば英国の銀行では、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)と、2000年に傘下となったNatwest銀行が、月会費3ポンド(約426円)で同様のサービス(公共料金の引き落としで3%キャッシュバック)を提供しているほか、バークレイズ銀行も毎月一律7ポンドのキャッシュバックを行っている。

liteと同じく毎月500ポンドの入金が必要なのであれば、ロイズ銀行の金利とキャッシュバックが5%というサービスの方が、お得かも知れない。

銀行がありとあらゆる商品で顧客を魅了しようと骨を折っているという傾向は、消費者にとっては有り難い。その反面、「商品が溢れすぎて、どれを選べばよいのかわからない」と戸惑う消費者もでてきている。

特典で顧客を引き寄せるのも結構だが、サンタンデール銀行の例を見るまでもなく、それだけでは顧客をつなぎとめておくのは難しい。消費者はよりお得なサービスを求めて、商品から商品へ、銀行から銀行へとわたり歩く「銀行ジプシー」になってしまう。

銀行は一時的に顧客を掻き集めるのではなく、顧客との長期的な信頼関係を築くという観点から、商品やサービスを開発していくべきだろう。(ZUU online 編集部)

最終更新:7/29(金) 7:10

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