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ファンキー加藤のライブで再確認した、人の心を揺さぶる“音楽”の強み【ライブレポート】

M-ON!Press(エムオンプレス) 7月29日(金)18時49分配信

ファンキー加藤『I LIVE YOU 2016 in 横浜アリーナ』
2016年7月24日@横浜アリーナ

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目と目を合わせ、「元気でやってるか?」「調子はどう?」「頑張れよ!」とファン一人ひとりと心を通わせる。それがファンキー加藤のライブの在り方であり、何もよりも大切にしている時間。“I LIVE YOU”シリーズ、今回は横浜アリーナ2デイズ!

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■いつものライブの風景。が、この日のライブ、いつものライブではなかった

2日間で2万人を動員した、『I LIVE YOU 2016 in 横浜アリーナ』。その2日目、7月24日日曜日の夕方、会場に近づくと聞こえてくる、スタッフ総出の「おかえりなさい!」の声。中に入れば、学生、親子連れ、カップル、幅広い年齢層のファンの笑顔。FUNKY MONKEY BABYS(以下ファンモン)時代から変わらない、いつものライブの風景。が、この日のライブ、いつものライブではなかった。いろんな意味で。

目もくらむライトの中、爆音と共に、ステージを覆った紗幕が切って落とされ、ファンキー加藤が拳を突き上げる。渦巻く大歓声の中、1曲目「中途半端なスター」に続き、「MUSIC MAGIC」では大量のスモークとミラーボール。「まわせ!」では、1万人が揃ってのタオル回し大会。EDMフェス並みの強力な重低音が鳴り響き、加藤がステージを全力疾走して歌う、圧巻のオープニング。

「輝け」から、ファンモンの「ナツミ」へ。鉄板の盛り上げ曲を聴かせたあとは、爽やかなウクレレの音色をフィーチャーした、新境地のポップチューン「あの夏のカクテル」。さらにしっとりとテンポを落とし、「つながるから」では、歌詞に合わせて背景に星空が浮かび上がる。ファンキー加藤にとって、何よりも大切な、人と人との繋がりを描く歌詞。それを伝えるための、音、照明、演出。スタッフのチームワークは一糸と乱れない。

■「最後まで一生懸命歌います」。その言葉に偽りなし

が、肝心の声がかなりヤバイ。疲労か、コンディション不調か、高音がかすれて出ない。もちろん、本人がいちばんよくわかっている。「最後まで一生懸命歌います」。その言葉に偽りなし。「ヒーロー」から「ブラザー」、そして「終わらない未来」へ。さあ、頑張ろうぜ。出ない声を振り絞る、限界を超えた歌声に、コトダマが宿る。ぶっ倒れるまでやってやるという、気迫がにじむ。

サポートのふたりの、存在感も大きい。THE BEAT GARDENのメジャーデビューが決まったため、この日でサポート卒業となるMASATOが、身振り手振りも含めコーラス以上の役割で歌を支える。キーボードの田中隼人は、「太陽」の印象的なイントロ、「CHANGE」の強力なピアノソロなど、エモいプレイを連発。

■喉も壊れよと、すさまじい集中力

そして、加藤が“世界一のファンです”と讃える、1万人のサポートメンバーたち。ファンモン・クラシックスの「あとひとつ」「希望の唄」は、完全にファンの大合唱がメインボーカルだ。

「CHANGE」を歌い終わった加藤が、仰向けにひっくり返って起き上がれない。すかさず湧き上がる、地鳴りのような大声援。どんな栄養ドリンクよりも、即効性の高い特効薬。

「今日ほど、みんなの声と手拍子が、ありがたい日はないです」

「ちっぽけな勇気」、そして「My VOICE」。数あるレパートリーの中でも、特別に彼自身の、リアルな本音をさらけ出した2曲。喉も壊れよと、すさまじい集中力で一気に歌い切る。ここまでで2時間。なんて濃い時間だろう。

アンコール。まさかの、アリーナ天井から宙づりで、センターステージへ降臨する加藤(高所恐怖症)に、やんやの歓声が飛ぶ。ド派手なゴールドはっぴで歌う「太陽おどり ~新八王子音頭~」から「大切」、そして「勇者のうた」では、カラフルな大玉風船が投げ込まれる中、センターステージ周回通路を歌いながら一周、そしてハイタッチ。声は相変わらずだが、もう気にしない。本編の、張りつめた緊張感とは対照的な、明るい笑顔がスクリーンに大写しになる。

■彼の発する言葉と音楽がどれだけ心を打つか

ラストは「リスタート」から、やはりこの曲「悲しみなんて笑い飛ばせ」。絶望なんてないよ、希望だらけさ。約3時間に及ぶ、エモーショナルなライブの締めくくりにふさわしい、希望の曲。最後の言葉は「これからは、寄り道せずに、まっすぐ皆さんの心に届く音楽を届けます」。シンプルな決意表明が、素直に胸に届いた。

最後に。世を騒がせた、例の件については、ここでは触れない。実際、ライブの中では、MCも、演出も、むしろ積極的に使われていたのだが、それについては別のメディアの記事に譲る。

僕は、彼の私生活ではなく、彼の発する言葉と音楽に興味がある。それがどれだけ心を打つかに、焦点を絞る。おそらくここで、彼のキャリアは一度リセットされた。

次に彼が、何を歌うのか。ひと回り強く、深くなるだろう彼の言葉を、僕は待っている。

TEXT BY 宮本英夫
PHOTOGRAPHY BY 笹原 清明、堂園 博之

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【SETLIST】
01.中途半端なスター
02.MUSIC MAGIC
03.まわせ!
04.輝け
05.ナツミ
06.あの夏のカクテル
07.つながるから
08.ヒーロー
09.ブラザー
10.終わらない未来
11.太陽
12.あとひとつ
13.希望の唄
14.CHANGE
15.ちっぽけな勇気
16.My VOICE
[ENCORE]
01.太陽おどり ~新八王子音頭~
02.大切
03.勇者のうた
04.リスタート
05.悲しみなんて笑い飛ばせ

【プロフィール】
ファンキーカトウ/1978年12月18日、東京都八王子市生まれ。2004年1月に地元・八王子にてFUNKY MONKEY BABYSを結成。2006年にシングル「そのまんま東へ」でメジャーデビュー。2014年2月にソロ第1弾シングル「My VOICE」をリリースした。

【リリース情報】
2016.06.08 ON SALE
SINGLE「ブラザー」
ドリーミュージック・

最終更新:7月29日(金)18時49分

M-ON!Press(エムオンプレス)