ここから本文です

NEDO理事長「第4次産業革命で30兆円の価値を」

EE Times Japan 7月29日(金)10時31分配信

■技術開発と社会実装を同時に推進

 とにかく早く、最大の成果を、社会に還元することが今試されている――。

【NEDOのロボット・AI分野の取り組みに関する全体像】

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)理事長の古川一夫氏は2016年7月28日、「第4次産業革命の実現に向けたチャレンジ」について記者説明会を行った。

 政府が2016年6月2日に発表した「日本再興戦略2016」では、2020年度に「戦後最大の名目GDP600兆円の実現を目指す」ことが明記されている。2015年度の名目GDPが約500兆円のため、現状に対して約100兆円の上積みが必要になるのだ。

 現状放置シナリオでは、2020年度の名目GDPは547兆円。つまり、約50兆円のギャップがある。政府は、ロボットやAI、IoT(モノのインターネット)といった「第4次産業革命」を推進することで、30兆円の新たな付加価値を生むと試算している。

 古川氏は、成長戦略における第4次産業革命の実現に向けて、「NEDOは新しいチャレンジをしていく」と語る。従来は、技術開発を行ってから、社会実装に取り組むのが一般的だった。これからは、技術開発と社会実装を同時に行っていくとする。

 2016年4月には、成長戦略の実現に向けて組織改編を実行した。ロボット・機械システム部を「ロボット・AI部」に改称。ロボット・AI部の中に、AIの社会実装の推進ミッションを担うAI社会実装推進室を新設した。また、応用先の広いIoT技術に関する分野横断プロジェクトなどを推進するために、「IoT推進部」を新設している。

■ロボットの社会実装に向けた新しい取り組み

 ロボット分野での社会実装に向けた新しい取り組みとして、古川氏は2015年12月に開催した「ロボット事故に関する模擬裁判」を挙げた。“ロボットの過失を法で裁くことができるのか”というテーマで、弁護士や検察の経験がある専門家を招いた模擬裁判を実施することで、ロボットにおける将来の課題を先取りすることが目的という。

 2016年6月には、福島イノベーション・コースト構想における「ロボットテストフィールド」と連携し、各種ロボット性能評価手法の開発に着手すると発表している。

 同年7月28日には、ロボットビジネスの創出に向けた人材育成事業「ロボットサービス・ビジネススクール」を開始すると発表した。2017年4月に開校予定の大阪工業大学梅田キャンパスの「ロボティクス&デザインセンター」を拠点とする。

 また、各国の代表が競う「ロボット国際競技大会」の開催も2020年に予定している。

■次世代人工知能技術の開発

 次に、古川氏はAI技術の開発について述べた。AI技術はまだ、「人間の知能の一部を表現する程度であり、各種技術課題を解決し、人間と機械が協働する社会の実現に備える」とする。具体的には、国内外に分散する研究者を産業技術総合研究所の人工知能研究センターに集めて議論を行い、世界水準の研究拠点形成を目指していく。

 また、社会実装の視点では、2016年4月に「次世代人工知能技術 社会実装ビジョン」を発表した。同ビジョンは、AI技術の発展が日本社会の各出口分野にもたらす効果を、技術の進展予測とともに、時間軸上に可視化。府省連携で進める「人工知能技術戦略会議」で議論中の「産業化ロードマップ」策定にも貢献する予定という。

 「今回のAIブームは、過去2回のブームと違うと考えている。インターネットが当たり前になったからだ。今までもAIは存在していたが、グローバルにつながることはできなかった。今は、インターネットを使って外側でも処理することができる。さまざまな方向性が考えられ、国内外の研究者と議論を進めている最中だ」(古川氏)

最終更新:7月29日(金)10時31分

EE Times Japan

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

地球外生命を宿しているかもしれない1つの惑星と3つの衛星
地球外にも生命はいるのでしょうか?NASA(アメリカ航空宇宙局)の惑星科学部門の部門長であるジェームズ・グリーンと一緒に、地球外生命を宿していそうな場所を太陽系内の中で探してみましょう。 [new]