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<北朝鮮写真報告>見捨てられる老人たち(2) 国と家族に放棄されホームレスになる人も

アジアプレス・ネットワーク 7月29日(金)6時40分配信

北朝鮮の深刻な経済難の最大の犠牲者は子供と老人であった。多くの老人の死を目撃した私は、北朝鮮の保健、医療など高齢者への福祉制度が、宣伝だけは立派だがまったく有名無実になってしまったことを知っている。労働力として役に立たない老人は、国からも、そして社会と家庭からも扶養することが重荷だと扱われ、見捨てられている。(ペク・チャンリョン)

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2013年春、北部の国境地域のある都市で、みすぼらしい身なりで歩きながら涙を流している老女がいた。撮影者が尋ねた。

撮影者:あばあさん、自宅はこの辺りですか?
あばあさん:ここで暮らしているけれど、家は無いのよ。

撮影者:家がないなんて、どこで寝ているんですか?
あばあさん:夜には人民班の警備をしていて、警備室(守衛室)で寝ているのよ。

撮影者:あばあさんは、配給をもらっていますか?
あばあさん:どうして配給なんかもらえるでしょうか…。

北朝鮮にも、一応国家運営の老人福祉施設がある。しかし、「出身成分」を重視する北朝鮮社会の特性上、施設に入るのは、抗日闘争や朝鮮戦争参加者などの革命闘士ら、政治的核心階層が最優先である。一般の老人たちには福祉施設など存在しないも同様だ。扶養してくれる家族がいない老人は、生存していくために、老体に鞭打って路上に出て自ら生活費を稼がなければならない。

◆2013年6月、北部地域のある地方都市

痩せた老人が路上に座ってプラスチック製品の修理をしている。乏しい配給では生きて行けないと吐露する。国の福祉は形式だけで実体はなし。老人は細々と露店の修理業で現金を稼ごうとしているのだ。

撮影者:一日にどのくらい稼ぎますか?
男性:あまり稼げませんよ。

撮影者:配給があるなら少しましじゃないですか?
男性:ああ、いったい何の配給が…。

撮影者:一か月分の配給はどれぐらいですか?
男性:そんなこと分かりません。配給だけでは生きて行けないです。

最終更新:7月29日(金)16時31分

アジアプレス・ネットワーク