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「創立100周年へ・住友商事の目指す姿」〈金属事業部門長・堀江常務〉=「数量ではなく価値を追う」

鉄鋼新聞 7/29(金) 6:00配信

 住友商事は、2019年に創立100周年を迎え、本社も千代田区大手町に移転する。大きな節目を迎えるに当たり、住友商事グループの中長期ビジョンとして「創立100周年に向けて目指す姿」を掲げているが、金属事業部門の目指す姿と成長戦略は何か。事業部門長を務める堀江誠常務に聞いた。(一柳 朋紀)

――まずは前期業績の総括から。東京本社の金属事業部門としての純利益は120億円と、前の期比で63%減益でした。
 「米国のリグカウントがここまで落ちるとは想定しておらず、北米に経営資源を多く投じている鋼管本部が大きく落ち込んだ。鋼材やアルミなど他部門でカバーできなかった。国内事業会社は全社黒字だったが、海外は鋼管問屋が苦戦した」
――500億円強を投じて買収した米鋼管問屋のエジェン社は262億円の赤字でした。
 「減損が181億円、海洋構造物やラインパイプのプロジェクト案件が激減したことがエジェン社の業績に大きく影響し、トータル262億円の赤字だった」
 「エジェン社も油井管部門は健闘し、既存の油井管問屋3社も油井管は黒字だった」
――今期の金属事業部門の純利益見通しは横ばいの120億円。
 「北米鋼管事業は、今期は追加での減損計上や在庫評価損はないとはいえ、現在のリグカウントの状況等を踏まえると引き続き保守的にみざるを得ない」
 「新日鉄住金さんの交通産機品事業部とともに展開しているSS社など北米の鉄道向けビジネスが、石炭輸送貨物量の減少により悪化しそうだ。大和工業さんとの合弁であるアーカンソースチール社も主力製品のタイプレート(レールと枕木を締結する部品)の販売数量が減少する見込みだ」
――さて、100周年の2019年度に目指す姿は。
 「業界のリーダーとして、内外から認知される、安定的で盤石な収益規模を確立していく。数量ではなく価値を追う」
 「そのために(1)新しい価値を創造するための知識と活力にあふれた人材育成(2)中長期的な成長戦略に立脚したユニークなポートフォリオ構築―を進める」
――具体的な戦略について。
 「金属を売るという供給側の切り口から、金属を使うという需要側の切り口へと軸を移す。顧客の潜在ニーズを発掘して、解決策を生み出したい」
 「顧客とのパートナーシップを強化して、サプライチェーンにイノベーションを創造することで新たな価値を提供する」
――強化分野は?
 「安定成長が期待できる自動車・鉄道といった輸送機分野への経営資源シフトを加速する。自動車部品事業は、社内の他部門と協力して事業の成長・バリューアップ(価値向上)をサポートすることにより、当部門として自動車部品事業への参画を積極的に推進していきたい」
――強みを持つ鋼管については?
 「当社の強みは油井管ビジネスの圧倒的な顧客ネットワークだ。それを活用し、鋼管周辺事業を開拓するとともに、サプライチェーンを長くして付加価値を上げることも狙いたい」
 「エネルギー分野の回復にはまだ時間がかかりそうだが、今より悪くはならないだろう。そういう意味では、そろそろ投資を考えるタイミングだ」
――アルミは。
 「商社業界におけるリーディングポジションを維持・拡大したい。事業としては(1)マレーシアの製錬(2)UACJさんと進める米国での圧延―が2本柱だ。当社らしさが発揮できる分野として、アルミ製錬事業の拡大と自動車向けを主軸としたアルミ需要の捕捉に取り組んでいく」
――鋼板・建材本部でユニークなビジネスがうまくいっていますね。
 「NTTファシリティーズさんとは、新たなビジネス展開も検討中だ。今は太陽光架台のサプライチェーンを構築しており、設計・提案を通じたソリューションを提供している。海外展開による架台ビジネス拡大を狙うとともに、モデルの横展開によるソリューション提供型ビジネスの拡充を進めたい」
――国内のコイルセンター(CC)戦略は。浜松地区では業界再編に乗っかる形でEXIT(事業撤退)しました。
 「サミットスチールを核に、ユーザー対応型CCのマツダスチール・大利根倉庫などを合わせ、需要に見合った規模で事業運営する。サミットスチールは生産性向上が課題だ」

最終更新:7/29(金) 6:00

鉄鋼新聞

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北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。