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【ブラジル】字幕付きで上映を 女子学生の抗議が大反響

サンパウロ新聞 7月29日(金)22時15分配信

 「この映画館は聴覚障害者を尊重していない」──。24日、サンタ・カタリーナ州の州都フロリアノーポリス市近郊のサン・ジョゼ市内のショッピングモールで、聴覚障害を持つ19歳の女子学生、ダニエレ・クラウス・マシャドさんはプラカードを掲げて抗議した。ダニエレさんはモール内の映画館でアニメ映画を観賞する予定だったが、上映されていた映画には字幕が付いていなかった。ニュースサイト「G1」が26日付で伝えた。

 ダニエレさんは聴覚障害者であることから字幕付きで上映されるアニメ映画を探していたが、彼女が訪れた劇場で上映されていたアニメ映画は2本とも字幕付きではなかった。そこで彼女は、聴覚障害を持つ人のために字幕付きで上映するよう訴える行動を起こした。

 彼女はその日のうちに抗議行動の様子を写した写真数枚を交流サイト「フェイスブック」に投稿した。すると、多くの人が彼女の訴えに共感してそれらの写真をシェア(共有)し、シェアした人の数は投稿2日後の26日の時点で3万3000人を超えた(28日時点では3万9000人超)。

 その大きな反響はブラジル弁護士会(OAB)サンタ・カタリーナ州支部の障害者権利委員会にも影響を及ぼし、同委員会が州内すべての映画館に対してアクセシビリティ(利用しやすさ)の向上を求める文書を送付するきっかけとなった。

 同弁護士会によると、ブラジルの法律は、障害を持つ人は健常者と対等な立場で文化に親しむ権利を有するとしている。

 ダニエレさんは聴覚障害者ではない恋人と一緒にショッピングモールを訪れた。「私達は何度も映画を見たいと望んだけど、字幕付きのものが上映されていないので諦めなければならなかった。字幕付きの上映があっても、それは遠方の映画館だった」と話す。

 彼女は抗議活動をするに至った経緯について、「私は映画館がアニメ映画の吹き替え版しか上映しておらず、法律を守っていないことが分かったので映画館へ行った。映画館の支配人に字幕付きでも上映してもらえるかどうか尋ねたところ、そのようなオプションはなく、それは映画館の責任ではないと突き返された。それで、プラカードを掲げた写真をその場で撮影することにした」と説明する。彼女が掲げた数枚のプラカードには「この映画館は聴覚障害者を尊重していない」「聞こえない人のための字幕は法律だ」「障害を持つ人達は存在する #字幕はどこ?」などと書かれている。ダニエレさんはこれらのプラカードを掲げた写真とともに「意識が相当欠落している。人々は多くの場合、自分がそれを必要とするまでアクセシビリティの欠如に気付かない」とのコメントをフェイスブックに投稿した。

 この抗議活動に対する大きな反響はダニエレさんを驚かせた。彼女は「こんなに反響が沸き起こるとは思わなかった。グループを作るために同じ聴覚障害者の仲間を何人か見つけたかっただけで、その後にもっと大きな抗議運動を始めようと思っていた」と話す。

 ダニエレさんは、抗議活動を継続するだけでなく、もし映画館が字幕無しでの上映を続けるのであれば法的手段に訴えると主張、「残念ながら、いくつかの企業は訴えられないと変えようとしないから」と話している。

サンパウロ新聞

最終更新:7月29日(金)22時15分

サンパウロ新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。