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富山大橋で冥福祈る 3人犠牲の上東中バス転落から60年

北日本新聞 7月29日(金)21時38分配信

■同級生38人が現場を訪問
 臨海学校に向かう立山町上東中学校(現在廃校)のバスが富山大橋から転落した事故から60年を迎えた29日、県内外から同級生38人が現場を訪れ、亡くなった3人の冥福を祈った。新しい富山大橋になって初めての慰霊となったが、橋から川を見下ろすと「この場所だ」とそれぞれ記憶がよみがえり、「当時助けてくれた人や、今元気でいることに感謝したい」と語り合った。

 事故は1956年7月29日に発生した。3年生を乗せたバスが自転車を避けようとして運転を誤り、木製の欄干を突き破って約9メートル下の神通川に転落。生徒3人が亡くなり、生徒と教員61人が重軽傷を負った。

 慰霊は5年ぶり。同級生たちは現場を見下ろす場所に立ち黙とうをささげた。同期会世話人を務める松井幹夫さん(74)=立山町本郷島=は「冥福を祈りながら、共に長生きしようという思いで続けている」と話した。

 自宅で育てた花を手に訪れた土井君美子さん(75)=同町前沢=は、事故で左肘にけがをした。気を失っている間に助けられ、目を開けると近所の女性らしい人が自分の水玉柄のエプロンを左肘に巻いてくれていた。「ありがとう」と言いたかったが声が出ず、また気を失ったという。「橋を通るたび、その女性のことや、たくさんの人が助けようと川に入っていた光景を思い出し、感謝の気持ちでいっぱいになる」と話した。

 同級生たちはこの後、当時担任で共にけがを負った洋画家の森弘さん(83)=同町中林=を招いて同期会を開き、近況を報告し合った。

北日本新聞社

最終更新:7月29日(金)21時38分

北日本新聞