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ゴールドマン 米株買いでリスク回避を提案

ZUU online 7月30日(土)7時10分配信

米大手証券会社、ゴールドマン・サックスは7月19日、リスク回避策の一環として、ポートフォリオの比重を米債券や米株式に置くよう顧客に提案するレポートを発表した。

EU離脱で不安定な英国、円高の加速がとまらない日本など、「外国債や外国株式は不安定要因で溢れている」と警告し、 米国での事業展開に重点を置いた企業株や、海外売上高の低いS&P500種を推奨。

これらの銘柄はリスクを最小限に抑えるだけではなく、連邦準備制度(FED)が追加利上げに踏みきれば、急速に成長すると期待されている。

■2016年は日本と英国の影響が市場を揺るがせる

2015年世界経済を揺るがせた中国経済と原油価格に代わり、2016年は日本のマイナス金利政策と英EU離脱という二大ショックが市場を直撃した。

ともにまったく想定外の状況で勃発したため、「先行きが予想しにくい」との見方が強く、鬼がでるか蛇がでるか、世界中が固唾をのんで見守っているといった状況だ。

レポートを作成したゴールドマンのストラテジスト、デヴィッド・コスティン氏は、強ドル継続による米株押しあげを確信しており、年末にかけて米1株あたりの利益は7%上昇すると予測。

対象的に外国株の利益予想は5%にとどまり、「国内売上が強い企業の株は、海外売上の強い企業の株に勝る」と、全面的に米銘柄を推している。

しかし様々な企業が事業国際化に乗りだしている近年、特にIT、工業素材、エネルギーなどの産業は、海外収益なしでは事業が成り立たないといっても過言ではないはずだ。

S&P500企業による2015年の総収益データによると、海外で創出された収益は31%が。欧州からは6%、日本からは1%、そのほかのアジア太平洋域からが8%を占める。


■ウェルス・ファーゴ、CVSヘルスが「買い株」?

英国と日本の経済に関しては、バンク・オブ・アメリカも今月初旬に同様の警告を発している。

通貨ストラテジストのデヴィッド・ウー氏は「阿部首相の景気刺激策は期待はずれに終わり、英国経済は本格的な修羅場に直面するだろう」と、投資家の注意を経済大国の危機に促した。

「Brexit後、市場はすでに落ち着きを取り戻している」という楽観的な見解も聞かれるが、英EU離脱の影響は早期判断できるものではない。

新首相就任により、表面上は何かが進展しているように見えるが、実際の離脱交渉はいまだ着手されておらず、今後どのような未来が英国を待ち受けているのかは、完全に未知のベールに包まれている。

8月の追加緩和実施が予想されている英国、同じく追加緩和の可能性を示唆している日本、両国ともに「これ以上低金利に傾くのはかえって危険だ」との懸念も広がっており、長期的な市場への影響が気になるところだ。

ゴールドマンは国際市場の不安定化が長引いている現在、「唯一安全なのは米国だけ」という見解から、大手銀行のウェルス・ファーゴ(WFC)、大手タバコメーカーのアルトリア・グループ(MO)、CVSヘルス・グループ(CVS)を含む、国内事業のみに重点を置いた企業の有価証券を「買い株」としている。

一方、ウォール街では、利益創出の切り札を人員削減から給与減額にすり変える動きもではじめたという。

これが「米経済がピーク効率点に達した」と示す兆候であると仮定した場合、米株が最強というわけではなく、あくまで「比較的リスクが低く、うまくいけば成長するかも知れない」という次元にとどまる。

各国の金融政策が根本的な問題解決には至らず、不透明性が増すだけの世界経済。「安全な投資」ができる日が訪れるのは、一体いつになるのだろう。(ZUU online 編集部)

最終更新:7月30日(土)7時10分

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