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不透明感広がるソニーの1Q決算、電池事業は製品力で巻き返せず譲渡へ

MONOist 7月30日(土)6時25分配信

 ソニーは2016年7月29日、2017年3月期(2016年度)第1四半期の決算を発表した。第1四半期の業績は、売上高は前年同期比10.8%減の1兆6132億円、営業利益は同42.0%減の562億円、税引き前利益は同58.9%減の570億円、四半期純利益は同74.3%減の212億円と減収減益の結果となった。

【ソニーの2016年度通期のセグメント別連結業績予測などその他の画像】

 セグメント別では、「プレイステーション 4(PS4)」関連のハード、ソフトが好調な他、ネットワークサービスも順調に成長を続けているゲーム&ネットワークサービス部門が大きく増収増益となった他、構造改革を進めているモバイル・コミュニケーション部門が黒字転換したことなどが好材料となったが、その他部門は軒並み苦戦。為替の影響や熊本地震の影響などで半導体部門などが影響を受けた。

 ソニー 代表執行役副社長 兼 CFO 吉田憲一郎氏は「半導体の国内での開発費が上がっていることや、ゲーム事業の本社を米国に移したことからドル円での為替影響度が変わっている。ドルは1円高くなると営業利益でプラス35億円の影響度、ユーロは1円高くなるとマイナス50億円の影響度となる」と述べている。

 連結業績見込みは、5月時点の予想比に対し5.1%下方修正したものの利益については前回予想比を据え置いた。ただ、セグメント別では、熊本地震の影響を受けた半導体部門で売上高、利益ともに下方修正している他、今回譲渡を発表した電池事業を含むコンポーネント事業も売上高、利益ともに下方修正している。なお、村田製作所への譲渡に伴う関連費用などは今回の決算には計上していない※)。

※)関連記事:ソニーが村田製作所に電池事業を売却――一般消費者向け製品は維持

●電池事業の敗因は製品力の問題

 電池事業を村田製作所に譲渡するに至った理由について、吉田氏は「直近の赤字が続いている状況については、主力であったスマートフォン向けのバッテリーにおいて大手顧客の製品に入れず大きく影響を受けたことがある」と述べた。ソニーはスマホ向けのリチウムイオン電池が電池事業の主力で、さらにここから電動工具向けなどに用途を拡大する方針を示していた。ただ、主力だったアップルのiPhone用電池で受注が取れなくなり、収益の主軸が崩れたことにより、事業継続が難しくなったということがいえる。

 スマートフォン向けではソニーはイメージセンサーで高いシェアを得ており、同じ販路を通じた販売戦略などをとることもできたが「実際に同じ販路で提案するケースもあったが、製品力では強みを発揮していたイメージセンサーと異なり、容量や充電速度など機能や製品力の面で受注をとることができなかったという経緯がある。こうした製品力の面で力をつけるには開発投資が必要になる。電子部品大手である村田製作所は、豊富な技術と人材を保有しており、電池事業を譲渡することで技術面や販路面でもシナジーを発揮できると考えた」と吉田氏は譲渡の理由について述べている。

最終更新:7月30日(土)6時25分

MONOist