ここから本文です

泡盛の信頼回復、業界「一定支持」 古酒表示厳格化から1年

沖縄タイムス 7/30(土) 11:54配信

 泡盛古酒の不当表示問題を受け、古酒を「全量が貯蔵3年以上の泡盛」と厳格化した表示ルールの適用から8月1日で1年を迎える。酒造会社は、商品を100%古酒に切り替えたり、仕次ぎされた泡盛から古酒の表示を外したりするなどの対応で信頼回復に努めた。売り上げへの影響や販売現場の混乱もほとんどなく、酒造会社は「一定の支持を得られた」とする。一方、11年連続で減少が続く泡盛出荷量の回復は見通せず、「信頼に加え、消費者の薄れた関心も取り戻す抜本的な改善が必要だ」との声もある。(政経部・照屋剛志)

 表示ルールの厳格化は、2012年に発覚した古酒の不当表示が発端。前ルールは、3年以上熟成した泡盛が50%を超えたものを古酒として表記するとしていたが、要件を満たさない泡盛が古酒として販売されていた。
 日本酒造組合中央会が県内9酒造会社に警告や指導の処分を出すなど問題は深刻化した。県酒造組合は事態を重く受け止め、13年に表示ルールを厳しく改定。2年の猶予を経て、昨年8月から全面適用された。
 処分を受けた酒造会社は「表示見直しや顧客などへの説明を丁寧にやってきた。売り上げへの影響も少なく、ある程度の支持は得られたと思う」と話した。「完全な信頼回復はまだ道半ば。二度と起こさないようルールを厳守する」とした。
 前ルールから表示の順守を徹底してきたという本島の酒造会社は、不当表示について「ただでさえ苦しい状況なのに業界の信頼を損ね、今でも許せない。ブランド化され、何とか維持していた泡盛古酒の売り上げは、全体的に落ち込んでいるはずだ」と憤る。一方、古酒表示改定を機に販売商品を見直したり、新たな商品を開発して市場開拓に力を入れた。「地道に取り組み、売り上げ向上を目指したい」と前を向く。
 県内大手の酒類卸業者は「大きな売り上げの落ち込みもなく、影響はなかった」とする。ただ、11年続く泡盛出荷量減少の傾向は変わっていないと指摘し、「影響がないのは裏を返せば、泡盛に対する消費者の関心が薄くなっているから」と危惧する。「環境は厳しいままで、古酒表示くらいでは変わらない。根本から見直すべきだ」とした。
 別の酒造会社は「表示ルール改定は、信頼を取り戻す最低限の措置」と強調。若者のアルコール離れ、他の酒類との競争、泡盛の認知度向上など課題は山積しており、「酒造会社それぞれの取り組みに加え、業界一丸となった改革が必要だ」と話した。

最終更新:7/30(土) 11:54

沖縄タイムス