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英企業の業績警告、金融危機以来の高水準に EU離脱めぐる懸念で

The Telegraph 7/30(土) 10:00配信

【経済部記者:Peter Spence】
 英国の大手企業による業績下振れの警告が、2008年の世界金融危機以降で第2四半期としては最高の水準に達した。不透明な景気見通しに、自国の欧州連合(EU)離脱をめぐる懸念が相まった形だ。米会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(EY)の調査で明らかになった。

 これによると英上場企業のうち66社が、国内外での需要低迷を主因として業績悪化を警告。前年同期と比べ、警告を発した企業は9社増えた。

 過去1年間での警告件数は321件で、それ以前の1年間(297件)より8%増えた。今年上半期では、英上場企業の6社に1社以上が警告を発している。

 EYの英国・アイルランド事業再編部門の責任者、アラン・ハドソン(Alan Hudson)氏は「EU離脱が決まった国民投票以降、先を見通すのはとてつもなく困難となっている」と説明した。国民投票後に出された警告のうち11件が、投票での離脱派勝利を一因とするものだった。

 EU離脱に関連した警告を出した企業は、サービス業、製造業で特に多くなっているという。ただ、ハドソン氏は、どちらの業界も国民投票前から苦境にあり、英大手企業が向かい合っている問題の原因をEU離脱だけに帰するべきではないと主張する。

 同氏は「究極的には、過去いくつかの四半期にわたって警告の多さをもたらしている問題と、EU離脱の影響を切り離すのは困難だ」という。特に小売業者は、政府が推進してきた「生活賃金」政策を受けた賃金上昇や、厳しい価格競争に直面している。英国のEU離脱は状況をさらに複雑化し、移民規制が強化されれば、欧州大陸中の優秀な人材を雇用できなくなると懸念されている。

 旅行・レジャー産業も、EU離脱や世界各地の地政学的混乱の余波を受けている。国民投票後のポンド相場急落により、外貨建てでのコストが増加したため、英国民の多くは国内で休暇を過ごす見通しだ。

 ハドソン氏は、EU離脱は「もっと大きな混乱の一部でしかなく、常に変化している市場に適応し、限られた成長を取り入れ、捉えていく必要性はこれからもなくならない。優先課題について明確な考えを示し、打撃に対する回復力を鍛え、機会を捉えられる人々が勝者となる」と強調した。【翻訳編集】AFPBB News

最終更新:7/30(土) 10:00

The Telegraph