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三木拓也「ロンドンからリオへ4年間の道のり」~車いすテニス~

カンパラプレス 7/30(土) 11:00配信

 約1カ月後に迫ったリオデジャネイロパラリンピック。車いすテニスプレーヤー三木拓也にとって、2度目の挑戦となる世界最高峰の舞台だ。パラリンピックを目指し始めて、わずか2年で臨んだ4年前のロンドン大会は、シングルスでは初戦敗退したものの、眞田卓とペアを組んだダブルスではベスト8進出を果たした。あれから4年、三木が歩んできたリオへの道のりは一体、どんなものだったのか。

4年後への思いを募らせた覇者の姿

 2012年8月29日、ロンドンパラリンピックが開幕。オリンピックスタジアムで盛大に行われた開会式で、三木は自らが切り拓いた現実を実感していた。
「本当にパラリンピックという舞台に自分は立っているんだ。そう思ったら、心の底から喜びを感じました」

 しかし、その3日後に行われたシングルスの初戦で、三木はパラリンピックの洗礼を受けることとなった。パラリンピックのデビュー戦で、いきなりのセンターコート。しかも、相手は地元英国人のゴードン・リードだった。まさに完全アウエー状態。三木はほとんど自分のプレーができないまま、1-6、2-6でストレート負けを喫した。

「もちろん悔しいと思いましたが、あまりにもあっという間に終わってしまって、試合後は何も考えられませんでした。ただ、その試合でわかったのは、自分にとってのゴールは、パラリンピックに出ることだったということ。出るだけで精一杯だったんだなということに気づかされました」

 しかし、それで終わらせるわけにはいかなかった。翌日には眞田とのダブルスが控えていたからだ。その日一日、三木は自問自答を繰り返し、「やはり、このまま終わるわけにはいかない」と、気持ちを奮い立たせた。

 そうして臨んだダブルスで三木・眞田ペアは、ストレート勝ちで1、2回戦を突破し、準々決勝へと駒を進めた。その準々決勝では第1セットを先取しながらも、第2、第3セットを奪われて逆転負け。第2セットもゲームカウント3-0でリードと、途中までは完全に三木・眞田ペアが主導権を握る展開だっただけに、悔しい敗戦となった。

 だが、三木には悔しさ以上に手応えの方が大きかったという。
「ダブルスでの3試合は、パラリンピックを目指し始めてからの2年間で一番良かったと思えるくらい、自分らしく伸び伸びとプレーすることができました。それに準決で負けたオランダペアの1人は、シングルスで銅メダルを獲得した選手でした。その相手を途中までは追い込むことができたことで、これからもっと練習すれば、さらに強くなれると自分自身への可能性を感じることができました」

 三木の心に、4年後への気持ちが少しずつ湧いてきていた。そして、それが明確になったのが、同じ日本人選手の国枝慎吾が車いすテニス史上初となるパラリンピック連覇を果たした、男子シングルス決勝だった。迎えたマッチポイント、国枝のサーブを受けた相手のリターンボールがラインを割り、国枝の金メダル獲得が決まった瞬間、三木の全身に鳥肌が立った。言葉には言い表すことのできない感情が、湧き起こった。

「国枝さんが勝った瞬間の感情は、今も鮮明に覚えています。そして、金メダルを首に下げながら表彰台の中央に立つ国枝さんの姿を見て、『自分が目指す場所は、あそこだ』、そう強く思いました」

 帰国後、三木は4年後のリオデジャネイロパラリンピックに向けてスタートした。

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最終更新:7/30(土) 11:00

カンパラプレス

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