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農作物付き雑誌創刊 農家の素顔、思い食卓に 佐賀

佐賀新聞 7月30日(土)11時42分配信

 農産物と一緒に宅配される隔月発行の情報誌「SAGA食べる通信」が創刊した。「生産者と食卓をつなぐ」をテーマに、生産者の素顔やものづくりへの思いに迫る特集記事で、素材のおいしさの秘密を解き明かす。創刊号は杵島郡江北町のタマネギ農家・大串勲さん(37)が登場し、乾熟吊(つ)りタマネギ(4キロ)が届けられた。全国発送も受け付けており、編集部は「佐賀の食や土地の魅力を発信する」と意気込む。

 食べる通信は2013年に東北で始まったビジネスモデルで、全国各地で展開。佐賀県版は33番目の創刊で、佐賀市の特定NPO法人「Succa Senca(すっかせんか)」(横尾隆登代表)が発行元となる。編集長は農家でもある横尾代表(40)が務め、趣旨に共感したライターやデザイナー、まちづくりの仕掛け人たちが集まり、手作りで創り上げる。

 サイズはA3判。姉妹誌は食材や料理に焦点を当てるものが多いが、佐賀県版は人物を前面に押し出している。創刊号の表紙は、ちょうネクタイにスーツ姿でタマネギを抱える大串さん。副編集長の稲田諭さん(29)は「見せ方を変えることで若い人にも農業に興味を持ってもらえる。農家を“スター”にすることもできる」と、大胆なレイアウトの意図を語る。

 記事では、大串さんがタマネギに語りかけながら愛情を注ぐエピソードや、観賞用のジュエリーコーンの栽培に取り組んでいることなどを紹介。農家おすすめの食べ方や町のレストランのレシピ、焼き物の窯元や日本酒の蔵人として活躍する若者の人物紹介、産地周辺の観光情報など盛りだくさんで、佐賀を味わい尽くす仕掛けとなっている。

 取材を担当する事務局の日隈諒さん(24)は「いい食材の背景には、熱い思いを持った人がいる。『一家に一人のマイ農家』としてひいきにしていただき、長いおつきあいを作ることができたら」と話す。

 29日に佐賀市内で創刊記念パーティーを開き、大串さんをはじめ、今後登場予定の生産者を囲んで県産食材を味わった。今後はSNSなどを使った情報発信や購読者との交流イベントも充実させていく。

 開業や運営にかかる資金は、融資のほか、県がNPO支援で開設した「ふるさと納税」の返礼メニューや、インターネットサイトで賛同者から寄付を募る「クラウドファンディング」も活用している。

 第2号は9月発行で、キュウリとナス生産者が登場する予定。購読料は各回3580円(消費税、送料込み)。公式HP(www.sagataberu.com)から申し込むことができる。問い合わせは同法人、電話0952(20)2210へ。

最終更新:7月30日(土)11時42分

佐賀新聞