ここから本文です

登山中の水場に注意 大腸菌汚染の恐れ、煮沸のすすめ

カナロコ by 神奈川新聞 7月30日(土)11時15分配信

 梅雨が明けて夏山シーズン本番-。暑さの中、登山道で見つけた水場で喉を潤したい思いに駆られるが、大腸菌による汚染に注意が必要だ。丹沢の登山口にある県立秦野ビジターセンターは、入山者に煮沸してから飲むように助言している。

 水場とは、湧き水や沢の源頭部で飲料に適した水が確保できる場所。登山地図に明記されている以外にも数多く山中に存在しているが、管理者が不明のケースが大半だ。流れる水は冷たく、きれいに見えても、汚染問題を抱えている。

 汚染源の特定は難しく、登山者のし尿やごみ、シカなど動物のふんや死骸など、多くの要因が指摘されている。1990年代の登山ブーム以降、入山者が集中する山域で汚染の拡大が問題視されてきた。

 丹沢では91年以降、県勤労者山岳連盟が毎年5月、入山者が多い表丹沢の大倉尾根コース(秦野市)周辺の18カ所で水質の定点調査を継続、公表している。

 昨年は調査した15カ所のうち、6カ所で大腸菌を検出。過去10年間では、最も検出が多かったのが2009年の10カ所、逆に12年はいずれも不検出だった。

 同連盟の関根さち子さんは「年1回の採水なので、推移は一概に評価できないが、環境配慮型トイレが増えたり、シカの生息数が減ったりしたので改善しつつあるのではないか」と推察している。

 県は山岳環境対策の一環として1999年度に放流式から環境配慮型トイレへの改修に着手。これまでに丹沢稜線(りょうせん)部で8カ所稼働、民間の山小屋でも4カ所で転換された。

 同センターや県立西丹沢自然教室にはこの時期、水場に関する問い合わせが増える。生水の飲用を控えるよう注意喚起する一方、水場を当てにせず、熱中症予防を兼ねて1人2~3リットルの飲料水を持参するよう呼び掛けているという。

 山岳関係者は「沢の上流でも汚染の可能性はあり、こうした現状を知らない登山の初心者は少なくないだろう。ただ、直接飲んで事故になったという話も聞かない。要は山での行動は自己責任ということだ」と指摘した。

最終更新:7月30日(土)11時15分

カナロコ by 神奈川新聞