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[社説]反発と対立のなか発足した慰安婦財団

ハンギョレ新聞 7月30日(土)7時14分配信

 2015年末の韓日「慰安婦合意」を履行するための「和解・癒やし財団」が28日、被害者の元慰安婦らと挺身隊問題対策協議会(挺隊協)をはじめとする支援・市民団体の反発のなか、公式に発足した。韓国政府としては日本政府との合意を履行する次元から財団をスタートさせたのだろうが、被害者や団体の立場としてはさまざまな面で再び傷の種をばらまく行為と受け止めるほかない。このような理由から財団のスタートが和解と癒やしの出発点になるどころか、軋轢(あつれき)と反発を触発する「開門発車(ドアを開けたままバスが出発すること)」になる可能性が濃厚である。

 政府と被害者及び市民団体の間で行き違いが出る根本的な理由は、朴政権がスタート時から慰安婦解決の原則に掲げてきた「国民の目線と被害者の納得」という基準とかけ離れた内容で合意を急いで結んだところにある。慰安婦問題は原爆被害、サハリン同胞問題とともに1965年の請求権協定で解決されなかった問題というのが政府の原則であるが、合意では慰安婦問題を含むすべての過去の歴史事案が請求権協定で解決されたという日本の論理を受け入れる形で整理された。その結果が韓日の対立であり、また国際社会と日本が対立すべき事案が韓国国内の対立に転化する奇妙な様相を呈している。

 このような根本的な限界を語らずとも、財団を発足させる過程で見せた政府の姿勢は批判せざるをえない。これほどの国家的次元の問題なら、大統領や外交部長官が直接被害者に会って説得しても足りない状況であるのに、そうした誠意をまったく見せなかった。日本の安倍政権が日本の拉致問題に対する姿勢とは天地の差だ。

 合意の最も論争的な問題の慰安婦少女像の撤去問題も内在する爆弾となる。日本政府の態度から見て、ひとまず少女像の撤去を前提条件とみなさずに財団に10億円を捻出するだろうが、金を出した後は本格的に少女像撤去の勢いを強めるものと予想される。また拠出金の使途を巡っても、韓国に「ああだ、こうだ」と一々干渉する可能性が高い。

 これらすべてのことが原則なき政府、定見なき政策が自ら招来した不幸といえる。このような誤りを修正して補完する市民の責任は一層大きくなっている。
(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:7月30日(土)7時14分

ハンギョレ新聞