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日銀のETF買い入れ増額、日本株に最良の選択-政府との協調期待も

Bloomberg 7月29日(金)17時1分配信

日本銀行が29日に決めた追加の金融緩和は、マイナス金利拡大や長期国債の買い入れ増額には踏み込まず、上場投資信託(ETF)の買い入れ額拡大にとどまった。日本株市場にとっては需給改善も含めてポジティブと捉える声が多い。

日銀は金融政策決定会合で、マイナス金利の導入を決定した1月以来半年ぶりの追加緩和を決め、ETFの買い入れ額を年間3.3兆円から6兆円に拡大した。ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジストは「ETFの増額は実弾としての規模が大きく、株価の下支え要因になる。底値不安は薄らいだ」と評価している。

第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストは「マイナス金利の拡大や国債の買い入れ増額を含むフルパッケージの緩和となると、逆に市場の金融システム不安を高めかねない」と指摘。政府の経済対策に呼応する意味でもゼロ回答はまずい状況の中で、今回の追加緩和は株式市場にとって最も良い選択肢だったのではないかとの見方を示した。

長期国債の買い入れペ-スや0.1%のマイナス金利が据え置きとなるなど、緩和規模の観点からは物足りなさを残したものの、マイナス金利の深掘りが見送られたことが株式市場にプラスの影響を及ぼした。マイナス金利拡大による金融機関の収益悪化への懸念が弱まったことで、この日はTOPIX銀行指数が6.9%高と急騰。業種別指数の上昇率1位となり、証券・商品先物取引と保険を含めた金融セクターが上位を独占した。

日銀が政府との協調姿勢をアピールしたことも、今後の政策対応への市場の期待を高めた。大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、「日銀が3次元緩和のうちETFの買い入れ増額しかやらなかったことで、金融政策の限界論に目がいきがちだが、財政と金融両面から政策協調していくとのスタンスは好印象。株式相場にとっては上方向にじわりと効いてくる材料だろう」と述べた。

日銀では今回の措置も含め「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を推進し、極めて緩和的な金融環境を整えていくことは、大規模な経済対策を策定する政府の取り組みと相乗的な効果を発揮するとしている。

政府は財政措置13兆円、事業規模28兆円超の経済対策を8月2日に閣議決定する。安倍晋三首相は27日の講演で経済対策について、「内需を下支えし、景気の回復軌道を一層、確かなものとするものにしなければなりません」と語った。

Nobuyuki Akama

最終更新:7月29日(金)17時1分

Bloomberg